新学社は、小中学校の教員を対象に実施した、「学力調査等のCBT化と学習の結果や履歴の可視化への期待」に関する調査の結果を、1月23日に発表した。同調査は、2024年12月27日〜2025年1月6日の期間に行われ、1029名から回答を得ている。
調査対象者に、勤務先の学校において文部科学省の「全国学力・学習状況調査」以外に学力調査や学力検査を実施しているかを尋ねたところ(複数回答)、「都道府県実施の学力調査や学力検査を行っている」(63.1%)がもっとも多く、「市区町村実施の学力調査や学力検査を行っている」(38.5%)、「学校単位での学力調査や学力検査を行っている」(16.3%)、「行っていない」(8.0%)という結果となった。また、全国や自治体での学力調査や学力検査の結果を、児童生徒の学力向上に活用できていると思うかを尋ねた質問では、「まったく活用できていない」(13.6%)と「あまり活用できていない」(42.1%)を合わせた割合が約6割となっている。
児童生徒の日々の学力向上に対して、感じている悩みとしては(複数回答)、「学力の差が大きく、1人ひとりに合った指導が難しい」(59.3%)が最多となり、「学力向上に向けた効果的な指導方法が見つからない」(31.5%)、「学校全体での学力向上の取り組みが統一されていない」(24.2%)がそれに続いた。
2025年度から、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」が段階的にCBT化されることを受けて、児童生徒に対しパソコンやタブレット端末で行われる学力調査に慣れさせておく必要があると思うかを尋ねたところ、「非常に必要だと思う」(30.5%)と「ある程度必要だと思う」(55.5%)を合わせた割合が約9割に達している。また、学力調査や学力検査のCBTでの実施は、どのような面で効果的だと考えるかを尋ねた質問(複数回答)では、「解答に掛かった時間や入力をし直した回数など、これまでの紙での調査や検査では測ることができなかった情報が見られる」(43.9%)がもっとも多く、「結果を即時にフィードバックできることで、児童生徒の学習意欲の向上が期待できる」(43.0%)がそれに続いた。
GIGA端末で学習した結果や履歴などのデータ(学習ログ)のうち、日ごろからよく見るデータとしては(複数回答)、「デジタルドリルといった課題の進捗状況や得点結果」(46.6%)、「使用した教材やアプリケーションの種類などの学習内容」(40.1%)が上位を占めている。
学力調査や学力検査の結果と、デジタルドリルなどの学習ログや紙の教材の得点データや取り組み状況が、教師用パソコンの同じ画面で確認できるようになることについては、「非常に望ましい」(27.9%)と「どちらかといえば望ましい」(53.5%)を合わせた割合が約8割を占めた。また、学習ログを確認する画面(ダッシュボード)が充実することは、どのような面で効果的だと考えるかを尋ねたところ(複数回答)、「児童生徒一人ひとりに合わせた学習計画が立てやすくなる」(48.4%)が最多となり、「児童生徒の学力差をより適切に把握できる」(41.5%)がそれに続いている。
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