Z会は、経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択され、同実証実験の事務局であるボストンコンサルティンググループと、中学校における知のナビゲーターの実証事業に関する契約を締結したことを、7月17日に発表した。
「未来の教室」実証事業は、これまでの教育のよさに加えて、各業界の最先端技術や知識を総動員し、「未来の教室」を実現するために必要なサービスやプログラムの開発・実証を行うとともに、その成功事例の創出や、開発・運営にあたっての課題を抽出し、将来的に全国で「未来の教室」の実現を可能にする道筋をつけることを目指した事業。
学習者が中心の「未来の教室」を全国に広げていくため、最大で5年間、同じ学年を追跡して調査することを念頭に置いており、平成30年度はZ会Asteriaの英語4技能講座・数学新系統講座のアダプティブラーニングを用いた知識の効率的な獲得、Z会Asteria総合探究講座の仕組みを応用した遠隔での協働学習や非認知スキルの育成を試みる。さらに、実際の授業や校外学習にZ会のスタッフが参画し、探究的な学びを深めるために最適な教材・題材をデジタル・アナログ問わず、それぞれの生徒に最適な形で提供していく。
これらの取り組みを通じて、Z会は生徒1人ひとりを「個別化した深い学び」へといざなう「知のナビゲーター」として活動していくほか、Z会グループが提供するアセスメント「LIPHARE(リファール)」によって、偏差値や教科成績では可視化しにくい思考力や表現力などを事前事後で測定。実証校における学力試験の結果も交えて、探究学習と教科学力の相関関係を最大で5年間追跡調査し、中学2年生の生徒が高校を卒業し、進路を選択するまでにどのような変化があったかの考察や、実証校のカリキュラム最適化、探究学習の強化にも貢献していく。
今回の実証事業では、日本大学三島高等学校・中学校の中学2年生と全面的に連携し、学校の正規の授業(道徳・家庭科・総合)の一部を探究活動に割り当て、生徒は家庭科の食生活分野を発展させた探究テーマを個々に設定する。
また、中学2年生の生徒は、2月17日に行ったZ会Asteria総合探究講座の「遠隔での協働学習」を活用した、観光をテーマにした調べ学習の成果を外部のプロに発表・講評を得るという取り組みをさらに拡大し、年度内2回の公開成果発表会に向けて、探究的な学びを深めていく予定となっている。
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