デジタルハリウッドは、同社の運営する動画教材とライブ授業専門の「デジハリ・オンラインスクール」による「クリエイターと生成AIに関する意識調査2024」の結果を10月4日に発表した。同調査の対象者は、2023年9月1日〜2024年8月31日に「デジハリ・オンラインスクール」のクリエイティブツール(Adobe Creative Cloud)を利用する講座への申し込みを行った人となっており、調査期間は9月14日〜19日で、2034名から有効回答を得ている。
調査対象者に、生成AIを利用したことがあるかを尋ねたところ、「週に1回以上利用している」という回答が47.3%を占めた。「毎日利用している」という回答を年代別にみると、50〜54歳(13.19%)の割合がもっとも高く、35〜39歳(12.46%)がそれに続いている。20代では「利用したことがない」の割合が高かった。
生成AIの用途を年代別でみると、「コード生成」は全体としての割合は低いものの、20代〜30代では10%を上回っている。20代では「画像生成」や「動画生成」の利用割合が低かった。
もっとも利用している生成AIサービスを尋ねた質問では、「ChatGPT」(71.7%)が他を大きく引き離して最多となり、「Adobe Firefly」(38.8%)がそれに続いている。
クリエイティブな活動における生成AIの利用について、どのように考えているかを尋ねたところ、「活用したい」という回答が約58%を占めた。年代別でみると、年齢が上がるにつれて生成AIの利用に対する積極的な姿勢が強まっており、とりわけ40歳前後が生成AI活用に対して最も積極的であることが明らかになっている。また、年齢が上がってもAI活用に対する関心が低下することはなく、50歳以上でも前向きな姿勢が多くみられた。一方、クリエイティブ分野別では、動画編集に携わるクリエイターの43.2%、Web制作に携わるクリエイターの39.6%が「生成AIを積極的に活用したい」と答えているのに対して、グラフィック制作に携わるユーザーでは33.4%に留まっている。
自身の創作物が生成AIの学習データとして使われることに対して、どう感じるかを尋ねた質問では、ポジティブな反応が47%、ニュートラル(中立)が13%、ネガティブな反応が40%となった。ポジティブな意見の中でも、「データの許可・不許可が選べること」や「報酬が発生する仕組みがあること」が条件として挙げられることも多く、「(受け入れはしつつも)時代の流れなので仕方がない」といった意見もみられる。
自身の創作物が生成AIの学習データとして使われることについての回答を、Adobe製品の利用歴別でみると、1年未満の初心者から10年目を迎えるまでは段階的にネガティブな傾向が強まる傾向がみられた。一方、11年以上Adobe製品を使っている人はポジティブな割合に転じている。
生成AIに関する情報を積極的に集めているかを尋ねたところ、「集めている」は30%、「どちらともいえない」は38%、「興味がない」は22%と、多くのクリエイターが生成AIを利用している一方で、積極的に情報収集をしていないことがわかった。生成AIに関する情報を知るために、参考にしているメディアやWebサイトがあるかを尋ねた質問では、「特定のメディアはない」(42%)がもっとも多く、以下「SNS」(22%)、「YouTube」(13%)、「ニュースメディア」(6%)が続いている。
「ここは生成AIに任せたくない」と考えていることがあるかを尋ねたところ、「アイデアやコンセプト、独自性を確保するといった制作の基となる部分」「作品の最終仕上げやクリエイティブな判断とする部分」「自分がこだわりたい部分はAIに任せたくない」といった意見が寄せられた。
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