Classiは、同社が提供する小中学校向け保護者連絡サービス「tetoru(テトル)」において、2025年4月から「tetoru集金機能」を開始することを、9月10日に発表した。
学校と教員が学習指導のみならず生徒指導などの面でも主要な役割を担い、さまざまな場面を通じて子どもたちの状況を総合的に把握して指導を行う「日本型学校教育」は、子どもたちの学力向上と安定、またそれに伴う国際的な評価の礎となってきた。一方で、GIGAスクール構想、VUCA、Society 5.0、「個別最適な学び」の提供などの時代が求める複雑で膨大な対応義務と相まって教員という職業に対する負担を大きくしてきたことは否めず、未来を担う子どもたちの学校教育の成否を左右する「教員の働き方改革」は昨今重要性を増している。
2019年には、中央教育審議会から「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」が発信され、「教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」とともに、それまで学校でおもに行われていた業務のうちから14つを取り出し分類した「学校・教師が担う業務に係る3分類」(以下3分類)が示された。
- 基本的には学校以外が担うべき業務
- 学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務
- 教師の業務だが、負担軽減が可能な業務
中でも上記3分類において「学校徴収金の徴収・管理」は、1.基本的には学校以外が担うべき業務と明示されており、教育委員会・地方公共団体への業務移管が求められている。
しかし、時代が求める学校教育を実現していくためには「学校徴収金の徴収・管理」をそのまま地方公共団体の行政職員(事務担当など)に移管して教員の負担を減らすだけではなく、DXを通じて業務負担そのものを解消し、行政職員の取り組みをも含めた、包括的な学校現場の整備が必要だと同社は認識し「tetoru」の集金機能の追加開発を進めてきた。
集金機能は、文部科学省から2019年に公会計化の推進が通知された学校給食費に加え、同じく同省から地方公共団体(教育委員会)に求められている教材費、修学旅行費の未納者への督促などを含めた徴収・管理にも対応が可能で、5月にまとめられた「「令和の日本型学校教育」を担う 質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策」の実現に寄与することを目指している。
これまで児童生徒を介して紙と現金で行われていたため不備や未納が起こりやすく、確認作業に大きな負担が強いられてきた学校徴収金の徴収を、「tetoru」上で学校から保護者への直接の口座登録依頼→保護者の口座登録→学校からの引き落とし金額の登録、というオンライン上で完結するシンプルなステップで完了できる。また、未納者もひと目で確認でき、督促通知も自動で配信される。
また、保護者にとっても自身が普段使っている銀行口座を引き続きそのまま利用できるため、指定金融機関に口座開設や送金の手間・負担もなく、入金漏れも回避できる。引き落とし前の通知も「tetoru」で届くので、集金に関する負担を減らせる。
「tetoru」のコミュニケーション機能は無料(公立の小中学校、義務教育学校、特別支援学校、公立幼稚園・保育園・こども園からの申し込みの場合)だが、集金機能はオプション機能として有償で提供される。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア