ポプラ社は、横浜市教育委員会と7月3日に連携協定を締結した。これにより、ポプラ社が小中学校向けに提供する読み放題型電子図書館「Yomokka!」が、7月から横浜市の小中学校における「過大規模校(学級数31以上)」など9校の学校図書の充実のために試行導入されることを、7月11日に発表した。
横浜市における「Yomokka!」の試行導入は、学級数が31以上ある「過大規模校」をおもな対象としており、「急増する児童生徒数に対応しようにも、学校図書館のスペースが限られているため物理的に図書を配架しきれない」「読書や調べ学習の授業を行いたいが、学級数が多いため学校図書館を学級単位で使える割合が少ない」など、子どもたちの読書機会に関する課題の解決を目指す取り組みとなる。
横浜市教育委員会が子どもたちの読書機会の充実に向けて「Yomokka!」を導入するおもなメリットとして掲げるのは以下の通り。
1.学校図書館の蔵書が増える
- 「いろいろな本を読みたい」という子どもたちの多様な興味に応えられる。
- 本の配架スペースを必要としないため、物理的な制約を受けずに蔵書を拡充できる。
2.同じ本を何人でも同時に読める。授業などでの活用の幅も広がる
- 1人1台端末を活用して、学校図書館以外の場所でも読書できる。
- クラス全員が同じ本を読んで感想を共有したり、朝の読書タイムや調べ学習などでも活用したりできる。
3.多様な子どもたちの読書機会の確保(読書バリアフリー)
- 一部の電子書籍で文字の大きさ・色、背景の色を変えられ、図鑑なども拡大して見られる。
- 内容を音声で聴ける読み上げ機能が一部搭載されている。
横浜市における「Yomokka!」の試行実施校は、横浜市立市場小学校、横浜市立市場小学校 けやき分校、横浜市立子安小学校、横浜市立箕輪小学校、横浜市立師岡小学校、横浜市立戸塚小学校、横浜市立東戸塚小学校、横浜市立緑園義務教育学校、横浜市立日吉台中学校(推計上過大規模校となる見込みの学校および電子書籍サービスの導入を具体的に検討していた学校が含まれる)。
また、横浜市教育委員会とポプラ社は、横浜市立学校における読書活動の推進および同サービスの効果検証や向上を図ることを目指し、以下の内容で連携協定を締結した。
協定名称
- 「横浜市教育委員会と株式会社ポプラ社との子どもの読書活動支援に関する連携協定書」
協定締結式
- 7月3日に横浜市役所で、株式会社ポプラ社 代表取締役社長 加藤裕樹氏および横浜市教育委員会 教育長 下田康晴氏 両名出席のもと、協定締結式が執り行われた。
連携・協定の内容
- 対象校の児童生徒および教職員に対する電子書籍サービスのアカウント発行
- 対象校の児童生徒および教職員に対する電子書籍サービスの無償利用の提供
- 電子書籍サービスの活用に必要な対象校の教職員への研修の実施
- 対象校の児童生徒および教職員からの電子書籍サービスの活用に係るフィードバック、成果や課題の共有、改善
同協定の締結により、読み放題型電子図書館「Yomokka!」が試行導入される小中学校9校の児童生徒および職員約1万名に対してアカウントが発行され、「Yomokka!」に掲載される38社、4300冊以上(7月現在)の多様なジャンルの電子書籍へのアクセスが可能となる。7月以降、子どもたちの読書機会の充実に向けて、対象校の教職員への研修の実施や、「Yomokka!」の活用に関する成果・課題の共有など、相互に連携して取り組んでいく。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア