PKSHA Workplaceは、立命館大学とともに実施していた「PKSHA LLMS」と生成AIを活用する「探究型AIコンシェルジュ」の実証実験を完了した。このたび、2年にわたる共同研究の成果を、2月29日に行われた「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」にて発表した。
同社は、2023年7月にデジタルキャンパスコンソーシアムという構想を掲げ、AI対話エンジンや共通FAQプラットフォームなどを活用した大学のDXに取り組んでいた。立命館大学とは、同大学が掲げたR2030「挑戦をもっと自由に」というビジョンのもとで、教育領域におけるDX推進に向けた取り組みで協働しており、AIチャットボットの展開なども実現していた。 そのなかで、2022年5月に立命館大学が主催する「教育開発DXピッチ」で優秀賞を受賞した、「学生の自分探しを応援する探究型AIコンシェルジュ」構想にパートナーとして参画。同構想では学びにおける個人の志向に基づいた意思決定を支援するため、大学向けチャットボット上に履修科目等の提案を行うコンシェルジュが開発されている。2月29日の「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」では、その成果が発表された。
同構想では、自分自身が気づかない興味や知恵との出会いを通じて、履修計画を各学生にとってよりよいものにすべく、立命館大学とPKSHA Workplaceの協働で企画・開発された。実現にあたって、学生の興味関心のヒアリングを通じ言語化・構造化が行われ、これらの個別情報に対してマッチする情報を提供するAIアルゴリズムを構築。立命館大学のシラバスデータと照合を行った上で、履修科目の選択肢を学生に提供する。
学生に履修科目の選択肢を提供する際に「なぜその科目をすすめたか」という提案理由を含めて説明することで、自身では考えつかなかった新たな分野への学習のきっかけを促進した。AIコンシェルジュのユーザーテストを実施し、その後の学生への調査では90%以上が「また使いたい」と回答しており、実用性の高さが証明されている。
同社は、大学との実証実験を通じ、個人の興味関心を尊重した学びの機会の提供を進める上で、生成AIの有用性を見出すことができたと考えている。今後は、実証実験の結果に基づいて実運用を視野にさらなる研究開発を進めていく。
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