中央大学は、同学における「生成系AI」についての基本的な考え方と、教育課程における利用上の留意事項について、6月5日に発表した。
中央大学では、生成系AIは現実社会の一部であるインターネット上に存在する情報の学習を起点とする以上、現実社会の歪みの影響を受けるものであることを自覚する必要があるとしている。そのため、その出力・提示内容を人が倫理的観点から判断しつつ利用することが必要だとしている。
また、学習された情報をどのような出力・提示内容に結びつけるかというアルゴリズムへの関心を持ち続け、その可視化に努力することを求めている。生成系AIシステムの研究開発や社会実装にはどのような価値を肯定的または否定的に取り扱うのか、という点に係る説明責任がともなうと指摘する。
さらに、生成系AIを道具として利用し、人生や社会を豊かに発展させることを妨げられるべきではないものの、それを担保するためには出力・提示内容が生成系AIの産物であることを明示した上で利用することを求めている。
生成系AIシステムは新規性の強い発展途上の技術であるとともに、インターネット上に存在する情報を起点とするという構造上、永遠に完成しないシステムであることを認識して利用すべきと指摘する。また、生成系AIシステムを含むインターネット上に展開されるシステムは、国境を超える特性があることから、これらの研究開発や社会実装に係る文化や法規制が国や地域ごとに大きく異なっていることに留意するよう求めた。
あわせて同学は、同学で教育を担当する全教員および全生徒を対象にした、教育課程における生成系AI利用上の留意事項も公開。生成系AIシステムの定義をはじめ、教員または学生による生成系AI利用時の留意点、成績評価についての内容となっている。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア