アダプティブな対話式ICT教材の開発と提供を行うすららネットは、総合教育サービス企業グループである成基コミュニティグループの新規事業において、同社のICT教材「すらら」を導入し、運用などの業務提携を行うことが決定したことを、8月31日に発表した。これにより、学校に通うことが難しい小中学生を対象としたオンラインフリースクールの2023年2月開校をともに目指す。また、開校に先立ち、9月17日、24日に、家庭での学習を出席扱いとして認める「出席扱い制度」とその利用法に関するオンラインセミナーを開催する。
成基コミュニティグループは、京都、滋賀、大阪、兵庫、奈良を中心に、集団塾、個別指導塾などを運営する教育企業。個々の成長に合わせ、年齢に応じて必要な教育と環境を常に最適化して提供できることが特徴で、幼児教育から中高校生の受験対応塾や、個別指導塾、放課後デイサービス、通信制学校などの教育サービスを提供している。
この度の業務提携は、成基コミュニティグループが既存塾生の不登校数の状況を鑑み、個別の支援の必要性を感じたところ、すららネットの個人ユーザー向けのサービスにおいて、不登校の子どもの「出席扱い制度」活用を積極的にサポートし、親の関わり方支援を含めた学習支援事業の成果を受けて実現した。
「すらら」は、無学年式のわかりやすいアニメーションのレクチャー機能で、子どもたちが学校に行かなくてもゼロからわかるのが特徴。AIを搭載し、一人ひとりの理解度や進捗に合わせて、苦手な単元を見つけて理解できるまで学べる。この個別最適化した学びと学力の定着に対して有用性が認められ、教材として採用されることになった。
またすららネットは、開業当初からの事業である新規塾の独立支援や、運営サポートにおいてノウハウを有している。成基コミュニティグループの新規事業では、これら「すらら」の強みを活かし、すべての子どもが公平で質の高い教育を受けられることをともに目指す。
文部科学省の「2021年度 問題行動等調査」では、中学生は13.2万人、小学生は6.3万人が不登校で、いずれも過去最大とされている。また「出席扱い制度」の認定者数は、直近の調査では5年で10倍となっている(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より)。不登校であっても学びの機会を提供し、「出席扱い制度」の活用をサポートしていくことで、学校に行けなくてもその先の選択肢を増やすことが可能になる。
開校予定のオンラインフリースクールでは、ICT教材を利用して自宅で学習ができることに加え、希望者は成基コミュニティが運営する個別指導塾や集団塾へ来て、プロ講師に学習相談、指導を受けることも可能となる。オンライン上でのホームルーム、リアルでの交流など、ほかの児童生徒との交流もできる。
また、自宅にいる時間が長いことでゲームやネット依存が心配されるが、ゲーム依存脱却のカリキュラムの開発・提供も予定されている。不登校の児童生徒に対する新しい教育の機会の提供と、オンラインを通じた人とのつながりの場を提供し、社会的な自立を支援することで教育という社会課題をともに解決していく。
なお、開校に先立って開催されるオンラインセミナー「不登校のお子さんのための出席扱い制度WEB説明会」では、「出席扱い制度」の概要や「出席扱い制度」の無料認定支援、オンラインフリースクール事業の説明などが行われる。
開催日時は9月17日、24日のいずれも10時~11時(いずれかの日時を選択)で、参加費は無料。参加には、専用フォームから事前の申し込みが必要となっている。セミナーはZoomを使用して行われる。
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