金沢工業大学は、2022年度よりデータサイエンスの3科目を全学部全学科の必修科目とすることを、7月14日に発表した。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)により社会の変革が進む中、さまざまな社会課題を解決するため、AIに加えてセンサの技術やビッグデータを分析・有効活用するためのデータサイエンスの能力を身につけた、新しい製品・サービスを生み出せる人材が求められている。
同大学では、これまでの数理科目に加えて、データサイエンスとAIの素養を身につける教育プログラムを整備し、Society5.0をリードする人材を育成する。また、データサイエンスの科目を1年次から履修する必修科目に位置づけることで、デジタル社会の読み・書き・そろばんとなるデータサイエンスの基礎を全学生が学習し、所属学科の専門分野でその力を発揮することをねらう。
データサイエンスとは、社会のさまざまなデータを数学、統計学、コンピュータサイエンスの手法を用いて解析し、それぞれの分野の専門家がデータを読み解くことで、社会の発展に役立てる学問分野。同大学では以下の3科目を2022年度入学生より必修科目と位置づけ、データサイエンスを活用できる人材の育成を進めていく。
データサイエンス入門(1単位、1年次前学期 開講)
データの取り扱いの基本を学ぶ。データ取り扱いの入門ツールであるExcelの基本操作や、Excelを使用して社会の実際のデータ(オープンデータ)を可視化していくことで、データが持つ意味を理解し、データを集計・分析する力を身につける。また、実験データやアンケートデータの集計・分析などデータの取り扱いスキルを学ぶ。
データサイエンス基礎Ⅰ(1単位、1年次後学期 開講)
データの間にどのような関係や差があるかを数学的な手法で明らかにし、多くのデータをより少ない本質的な要素で説明するための方法を学ぶ。データサイエンスにおいて重要となる、層別集計やクロス集計の手順、グラフ描画、回帰分析について、実践的な演習を交えて理解を深めていく。
データサイエンス基礎Ⅱ(1単位、2年次 開講)
コンピュータによる計算手法を用いて、多くのデータをそれぞれの特性に基づいて分類し、系統的に説明するための手法を学ぶ。現在幅広く使われている深層学習の基礎となる機械学習については、教師データなし機械学習の代表的な手法「クラスター分析」、教師データあり機械学習の代表的な手法「決定木」を学ぶ。また、近年のAIの代表的な手法であるディープラーニング(深層学習)の基礎となる「ニューラルネットワーク」についても学習する。
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