アドビは、総合転職情報サイト「マイナビ転職」の協力で実施した、転職市場におけるクリエイティブツールスキルのニーズの変化に関する調査の結果を、7月7日に発表した。
同調査は、アドビが1都3県+愛知+大阪の中途採用担当者400名、全国の求職・転職者200名に対して、4月16日~18日に行った調査と、1月時点で「マイナビ転職」に掲載が開始された求人情報から、雇用形態が正社員以外を除いて集計されたデータをもとに、まとめられている。
「マイナビ転職」における、「対象となる方」欄にクリエイティブツールスキルを含む非クリエイティブ職全体の求人掲載総数は、2020年には2010年と比較して約3倍に達しており、「営業」は約1.9倍、「企画・経営」は約2.8倍、「管理・事務」は約4.2倍に増加した。
求人掲載総数が顕著に伸びている「管理・事務」では、商談や会議の多くがリモートに移行しつつある影響を受け、従来はテキストやグラフなどで構成されていた営業資料を、遠隔でもより相手に伝わりやすい資料へと深化させるべく、簡単なグラフィックの作成や説明動画などを制作できるようなスキルが求められる場面が増えた傾向がみられる。
企業の採用担当者に対して、非クリエイティブ職でもクリエイティブツールスキルの重要性が高まっているかを尋ねたところ、「クリエイティブツールスキルの重要性を感じている」という回答が7割超に達している。
非クリエイティブ職において、クリエイティブツールスキルの重要性が高まっていると答えた採用担当者に、クリエイティブツールスキルを必要とする企業が増えた理由を尋ねた質問(複数回答)では、「業務の幅が広がるから」が64.3%、「内製化・業務効率化」が44.1%、「提案力・営業力・企画力の向上」が37.1%だった。さらに、31.5%が「リモート環境で、イラストや写真、動画でのコミュニケーションが不可欠になった」と答えている。
また、7割超の採用担当者が、クリエイティブツールスキルを持っている人材と、同等の能力ながらクリエイティブツールスキルを持っていない人材とを比較すると、月給を「平均3.4万円程優遇できる」と考えていることがわかった。
一方で、求職者のうち非クリエイティブ職への転職において、クリエイティブツールスキルを持つことで 採用の場での優遇(年収・条件)がよくなることを理解しアピールしている人は1割程度に留まっており、求人条件に記載がないことで、約3割がスキルを持ちながら採用の場でアピールできておらず、自身のスキルの価値を理解していない人が多いことが明らかになっている。
非クリエイティブ職で、クリエイティブツールスキルの重要性が高まっていると回答した採用担当者への調査によれば、求職者に期待するクリエイティブツールスキルは「写真・画像編集」(60.5%)がもっとも多く、「動画撮影・動画編集」(40.2%)がそれに続いた。また、58.0%の求職者が「写真・画像編集」「動画撮影・動画編集」のスキルを習得したいと考えていることから、採用者の求めるスキルと求職者の習得したいスキルが合致しているといえる。
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