内田洋行とウチダ人材開発センタは、日本規格協会(以下、JSA)が新たに発行した「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格(JSA-S1010:2021)」の策定に協力したことを、6月3日に発表した。
本規格は、急速に整備が進む教育現場のICT環境活用支援体制において重要な役割を担う、ICT支援員の業務(ICT活用支援サービス)と要件(知識・スキル、能力開発)等を定めるもの。教育現場でのICT支援員サービスの品質標準化と、支援員の活躍を後押しすることを目的としている。
1人1台のPCと高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するGIGAスクール構想により、本年4月から全国の自治体の小中学校でICTを活用した授業がスタートしている。急速なICT化が進む教育現場で授業を円滑に行うべく、教職員をサポートするICT支援員サービスが求められている。
しかしICT支援員サービスは、教職員が導入したICTシステムを操作することの支援や、ネット環境トラブルへの対応、さらには教材作成や授業計画策定支援、研修会の企画などを幅広く担っている。その上、学校現場でそれぞれ整備状況に差異があり、求められる業務範囲も多種多様である。
また、ICT支援員サービスは提供事業者ごとに品質や内容が異なることや、オンライン授業や遠隔学習など新たな授業や学習形態が併用されるケースも増加していることから、ICT支援員の業務レベル向上が求められている。そのため、業務負荷の的確なマネジメントも重要視されている。
こうした学校現場でのICT支援員サービスの状況を踏まえて、ウチダ人材開発センタは、JSAに対して「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格」の策定を起案した。また、内田洋行とウチダ人材開発センタは、ICT支援員サービスや支援員の養成カリキュラム情報、省庁による調査研究成果など、多種多様な情報の提供を通じて規定策定に協力した。
「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格」は、ICT支援員の業務(ICT活用支援サービス)や用語定義と要件(知識・スキル、能力開発)、管理責任者(要件、業務)などについて規定している。
規格策定にあたっては、有識者により構成された「教育ICTサービス規格開発委員会」が設置され、ICT支援員サービスで必要とされる要件整理、用語や定義などの検討が行われた。同委員会での議論に基づき案が作成され、JSA規格開発制度に基づく作成過程等の確認を経て、2021年5月31日付でJSA規格「学校におけるICT活用支援サービスに関する規格」が発行されている。
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