東京都医学総合研究所・社会健康医学研究センターの山﨑修道主席研究員、西田淳志センター長らは、「思春期の時点で抱いていた価値意識が高齢期の幸福感を予測する~60年以上にわたる大規模コホート調査によるエビデンス~」について、9月16日にイギリスの科学誌『The Journal of Positive Psychology』に発表した。
従来の研究では、年齢を重ねた高齢期に幸福感が高いと、心身の健康も維持されることが明らかになっている。一方で、若い頃の何が高齢期の幸福感を高めるのかは、わかっていなかった。
同研究では、60年以上にわたる大規模追跡調査を通じて、思春期の時点で「興味や好奇心を大切にしたい」という価値意識(内発的動機)を強く抱いていると、高齢期の人生満足度が高いことを明らかにしている。
さらに、自己コントロール力が低い若者が、「金銭や安定した地位を大切にしたい」という価値意識(外発的動機)を強く抱くと、高齢期の人生満足度が著しく低くなることもわかった。
なお、同研究は文部科学省科研費新学術領域研究「脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学」、英国Medical Research Council、東京都医学総合研究所プロジェクト研究費の研究助成を受けて実施されている。
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