増進堂・受験研究社は、LTE-X、FUTURE VALUES INTELLIGENCEと共同で、小学生に長期休暇の際にオンライン学習教材がインストールされたタブレット端末を家庭へ持ち帰ってもらい、教員の管理下にない児童の家庭学習の取り組みについて学習行動を分析し、その結果を3月25日に発表した。
実験では、増進堂・受験研究社が教材デザインと教材提供、LTE-Xはセキュアな通信環境および簡便な端末管理とアクセス管理機能の提供、FUTURE VALUES INTELLIGENCEがデータ分析業務を担当している。
実験には、墨田区立第二寺島小学校の5年生のうち、有志55名(一部、6年生含む)が参加し、冬休みを含む2週間(第1期)と始業式後の3学期の2週間(第2期)に行われた。学習内容は英語・国語・算数の1・2学期の復習で、各期の事前・事後に学習姿勢・学習意識についてのアンケート調査が行われたほか、タブレット端末にインストールされた教科・単元に準拠した小テストが実施されている。
なお、実験では児童を学力調査結果からAグループ(達成評定児童)、Bグループ(未達成評定児童)として区分するとともに、各グループを第1期、第2期に配分した。
実験結果からは、Aグループ/Bグループの区分は、オンライン教材の正答率と相関が見られる。
教科、グループ、期ごとの正答率を比較すると、Aグループは期によって正答率に有意な差は見られなかったが、Bグループでは第2期の正答率が第1期よりも大幅に低下した。
ログイン日数は、Aグループでは第2期の方が上昇しているのに対して、Bグループには有意な差は見られない。
教科、グループ、期ごとの学習量では、Aグループは全体的に第2期の方が解答数が向上したが、Bグループは第2期で解答数が大幅に下がっている。
実験結果によれば、ログインするという点ではAグループ/Bグループ、および期ごとの差異はなかったが、第2期での学校で進行している新しい単元学習とタブレット端末による復習とが同時並行で行われる状況では、「ログインした後に教材を丁寧に継続的に学習するように自らを促す」ようなマルチタスクを遂行する際のマネジメント力に差があると考えられる。
今後の課題としては、自己マネジメント力を基軸に、マネジメント力がともなっていない学習者への支援をどのように行うか、どのような環境が必要か、学習者の到達度に合わせた学習によってマネジメントに際して変化があるかの検証が挙げられている。
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