英語4技能・探究学習推進協会(以下、ESIBLA)は、国内の探究学習動向をまとめた『探究学習白書2020』を創刊したことを、1月16日に発表した。
ESIBLAは、自団体が持つネットワークと調査スキルを用いて、探究学習の現在が分かる研究白書を発刊した。『探究学習白書2020』は、探究学習の現場に立つ教員や教育関係者を対象に、学習指導要領が最も力点を置いている「探究」にスポットを当て、探究学習の現状の分析と将来の展望をまとめた報告書となる。
本白書では、全国の中学校および高等学校教員約640名を対象に、探究学習に関するアンケート調査が実施された。また、以下の人を対象に『探究学習白書2020』が作成された。
- 探究学習の学習計画や学習課題、学習事項を改善したい人
- 探究学習を活用して生徒の知識と技能を育成したい人
- 探究学習の分野でビジネスチャンスを見いだそうと考えている企業
- 探究学習について調査、研究している企業や研究機関
「総合的な学習の時間」あるいは「総合的な探究の時間」を実施する中学校教員および高等学校の教員647名を対象に、探究学習が生徒にどのような影響を与えているかという観点から生徒への指導内容などを調査した結果、以下の回答が得られた。
探究学習の授業でよく取り扱われるテーマ、「職業」が54.1%
「総合的な学習の時間」あるいは「総合的な探究の時間」の授業においてよく取り扱われるテーマは「職業」(54.1%)だった。半数以上の学校が「職業」をテーマとして取り扱っていることが分かった。
さらに、よく取り扱われるテーマの第2位は「国際理解」(43.6%)、第3位は「環境」(35.7%)だった。あまり取り扱われないテーマは、「科学技術」(9.6%)、「資源エネルギー」(10.2%)、「健康」(13.6%)だった。
中学校、高等学校で授業テーマは異なる
中学校では「職業」「福祉」「国際理解」が多く、高等学校では「職業」「国際理解」「環境」が多かった。中学校ではよく取り扱われるが、高等学校ではあまり取り扱われないテーマは「福祉」や「伝統文化」「勤労」などで、反対に、中学校ではあまり取り扱われないが、高等学校ではよく取り扱われるテーマは「資源エネルギー」や「科学技術」などだった。
生徒に人気のある探究学習のテーマは「職業」
「総合的な学習の時間」あるいは「総合的な探究の時間」の授業において生徒に人気のあるテーマは「職業」(33.2%)だった。また、第2位は「国際理解」(22.4%)第3位は「伝統文化」(14.1%)となった。一方、生徒にあまり人気のないテーマは、「資源エネルギー」(3.6%)、「生命」(4.3%)、「健康」(5.3%)などがあがった。
教員が将来取り扱ってみたいと思うテーマ、第1位は「国際理解」
「総合的な学習の時間」あるいは「総合的な探究の時間」の授業において、教員が将来最も取り扱ってみたいと思うテーマは「国際理解」(28.0%)だった。第2位は「職業」(23.2%)で、第3位は「ものづくり」(20.9%)だった。一方、回答の少なかったテーマは「健康」(14.1%)、「生命」(14.1%)、「福祉」(14.2%)などがあがった。
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