ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2018年11月に、日本全国の幼稚園・保育所・認定こども園の園長4565名を対象とした「第3回幼児教育・保育についての基本調査」を実施し、その結果を10月16日に発表した。
今回の調査は、少子化や働く母親の増加といった家庭の変化、教育改革による園の要領・指針の改訂、幼児教育・保育の無償化などの環境変化の中で、幼稚園・保育所・認定こども園がどのような教育・保育を行っているのか、実態や課題を明らかにすることを目的にしている。調査の主な結果は、以下の通り。
園の実態
保育時間が長時間に
幼稚園・保育所が開いている時間は2012年に比べて長時間化しており、私立・私営園のほうがより長時間開所する傾向が見られた。私立幼稚園の96.7%は「預かり保育」を実施しており、平均終了時刻は17時46分となっている。
多様な園児の受け入れが増加
また、障がいのある園児や特別に支援を要する園児がいる園は、国公立・公営園では9割前後、私立・私営園では7割から8割にのぼる。経年で増加しており、園では多様な子どもを受け入れていることが伺える。
保育実践上・運営上の課題と対策
保育者の資質が最重要課題に
保育実践上・運営上の課題として、園長が最も強く感じている課題は「保育者の資質の維持・向上」(93.7%)。忙しい中、多様な子どもを受け入れており、保育者にはより高いレベルの専門性が求められている。
必要な対策は、保育者同士が学び合う風土や園内研修の充実、処遇改善
保育者の資質向上に必要な対策として園長からは、「保育者同士が学び合う園の風土づくり」(38.9%)が最も多く、次いで「園内研修の内容の充実」(27.7%)、そして「保育者の給与面での処遇改善」(26.4%)といった声が上がった。
また、研修の内容で最も必要と考えられているのは、「特別な支援を必要とする子どもの理解や保育」(82.8%)となっている。
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