LINEは、神奈川県教育委員会と共同で実施した、小中高生を対象にした「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」の報告書を、3月29日に公開した。
「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」は、神奈川県内の小学生(4~6年生)5399名、中学生5863名、高校生5573名、特別支援学校(高等部)の生徒162名の約1.7万人を対象に、2018年(平成30年)6月~9月の期間に実施されている。
調査対象者のうち、中学生と高校生にスマートフォンの利用時間、勉強時間、睡眠時間、自由に使える時間のそれぞれの関係を尋ねたところ、スマートフォンの利用時間と自由に使える時間には関連性があり、スマートフォンの利用時間が長い生徒は自由に使える時間も長い傾向にある。一方、勉強時間、睡眠時間はスマートフォンの利用時間が長くても、短くなる傾向はなかった。
ネット利用に関する家庭内のルール遵守の程度と、ネットトラブルなどの関係を尋ねた質問では、家庭内のルールを守る児童・生徒は、暴力的表現などネットトラブルの被害・加害経験や、知らない人からのメッセージ受信経験、長時間利用傾向が低い。また、家庭内ルールを守る程度は、ルールを保護者が一方的に決めた場合や、自身で考えて決めた場合よりも、家庭内で話し合って決めた場合の方が高いことが明らかになっている。
情報モラル教育の経験や、情報モラル教育での気づきのある児童・生徒は、ネット利用に関する家庭内のルールを守る傾向にあり、具体的には情報モラル教育の経験や、情報モラル教育での気づきがないと回答した児童・生徒よりも、あると回答した児童・生徒の方が、小学生、中学生、高校生のいずれにおいても家庭内のルールを遵守する割合が高い。
さらに、情報モラル教育の経験や気づきが、マナー意識や法的理解度の向上につながることから、ネットトラブルの抑制に一定の役割を果たしていると考えられる一方、ネットトラブルの被害・加害の抑制に直接結びつく結果とはならなかったため、行動改善を促すための情報モラル教育の内容や手法を導き出すことが今後の検討課題と考えられる。
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