VEXロボティクスの競技大会は、4月末に米国ケンタッキー州ルイビルで行われる世界大会の出場枠を争う国内予選大会「VEX IQチャレンジ・ジャパンナショナルズ」を、3月2日、東京都世田谷区のセントメリーズ・インターナショナル・スクールで開催した。
VEXロボティクスとは
VEXロボティクスは、56カ国の教育機関と研究施設で使われているSTEM教育のためのロボット教材。小学生から中学2年生を対象にした「VEX IQ」、中学2年生から大学生が使用する「VEX EDR」、そしてさらに専門的にロボット工学を研究するための「VEX Pro」の3種類が用意されている。競技大会は、子どもたちの興味と関心を高め、チームワーク、コミュニケーション力、グローバリズム、リーダーシップ、課題解決力、プロジェクト遂行力を育むために開催されている。
競技大会は「VEX IQ チャレンジ」の名前で行われ、今シーズンで7回目の開催となる。今年の競技テーマは「NEXT LEVEL」。
競技内容は、大きくチームワークチャレンジとロボットスキルスチャレンジに分かれる。チームワークチャレンジは、試合当日トーナメントマネージャー(クラウドに接続された管理システム)によって、参加する他のチームの中から協力し合う同盟チームがランダムに選ばれ、共同作業で高得点を競う。
ロボットスキルスチャレンジは、チーム別にロボットの性能と操作の実力を競う。操作内容は、リモコン操作によるドライビングスキルチャレンジと自律ロボットを使用するプログラミングスキルチャレンジの2つに分かれ、それぞれ3回ずつ挑戦。各3競技種目とも制限時間60秒間となる。
世界大会予選ジャパンナショナルズについて
今回開催された「VEX IQチャレンジ・ジャパンナショナルズ」は、小学生からなるエレメンタリスクール部門と中学生からなるミドルスクール部門が混合で行われ、今シーズンで2度目の開催。関東圏を中心に11団体18チーム45人の生徒が参加。総勢23人のボランティアによって運営された。
昨シーズン日本人として初めて世界大会に出場したガレージチーム「Furinkazan」が、チームワークチャレンジで同盟を組んだセントメリーズ・インターナショナル・スクールのチームと優勝を果たし、ファイナリストランキングでは堂々1位に入賞した。
本競技大会の開催地にもなったセントメリーズ・インターナショナル・スクールの6チーム中4チームは、チームワークチャレンジ優勝の他にも、スキルスチャレンジで上位3位にランクするほど、ロボットの製作技術も競技的スキルも優れており、強豪校である実力を発揮した。
世界大会に選ばれた勝者たち
参戦チームは、他のVEXの競技大会同様、エンジニアリングノートブック(※ロボットの製作の際に設計などをかいて活用するノート)の提出を求められる。これを見て、どのようにロボット製作に取り組んできたか、ジャッジが評価する。最優秀者に与えられる「エクセレンス・アワード」と「デザイン・アワード」には、チームがどのようにしてそのロボットを開発し、組み立て、そしてプログラミングをしたか、その過程も考慮される。
見事「エクセレンス・アワード」に輝いたのは、ミドルスクール分門からはセントメリーズ・インターナショナル・スクールのチーム、そしてエレメンタリースクール部門からは、初参戦のガレージチームが受賞。また「デザイン・アワード」には、別のセントメリーズ・インターナショナル・スクールのチーム、エレメンタリースクール部門からは先シーズンから参戦しているロボット科学教育Crefus池袋チームが受賞した。
最優秀賞であるエクセレンス・アワード、優秀賞であるデザイン・アワードを獲得したこれらのチームは、4月末、米国ケンタッキー州ルイビルで開催される世界大会に出場できる。
3月24日には、渋谷ヒカリエにて国際試合ジャパンカップの開催を予定している。詳細はこちらのニュース「国際ロボット競技大会「ジャパンカップ」が3月24日に開催、国内初の「VEXシグネチャーイベント」に登録」を参照。
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