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横浜F・マリノスの集客数を増やすには? 学生が本格データ分析ツールを使い導く!――JSAA Analytics Challenge Cup 2018レポート

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2018/11/28 14:00

 11月3・4日、一般社団法人日本スポーツアナリスト協会(JSAA)とSAPジャパンが、大学生らを対象としたスポーツアナリティクスのコンペティション「JSAA Analytics Challenge Cup 2018」を開催した。スポーツアナリティクスとは、スポーツ選手及びチームを目標達成に導くために、データの収集・分析を元に戦略を提案すること。本コンペティションでは、「横浜F・マリノスの集客を増加させるためには?」という課題が設定され、選考で選ばれた10組の学生が、与えられたデータや分析ツールを用いてアナリティクスのアプローチと腕を競った。

注目の「スポーツアナリティクス」で、学生がJリーグクラブの顧客増加策を提案!

 スポーツのデータを収集・分析することで選手のパフォーマンスを上げたり観戦体験をさらに豊かにしたりできるスポーツアナリティクス。比較的新しい分野だが、政府は産業としてのスポーツ市場の拡大を成長戦略の一部に抱えている上、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと日本で大規模なスポーツイベントが控えており、注目度は高い。

 JSAAが今回開催したスポーツ分析コンペティションは、日本でのスポーツアナリティクスの発展を目的に、大学生、大学院生、専門学校生を対象に行うもの。これまで、”スポーツアナリティクス甲子園”としてJSAAの年次カンファレンスの1企画として展開してきたが、応募数の増加などを受け今回名称をAnalytics Challenge Cup(アナチャレ)に変更、独立したイベントとして開催した。

当日の会場の様子
当日の会場の様子

 今年のテーマは「データ分析を駆使してJリーグクラブの顧客数増加施策を提言せよ!」――データを提供する横浜F・マリノスの観客を増加させるための施策を考えるというものだ。9月に応募を行ったところ42チーム(人数にして100人以上)が応募、以下の10チームがエントリーの書類審査に合格した。応募数は昨年の倍近くだったという。

  • 上智大学 TKチーム:金子和樹(上智大学)、田中登馬(早稲田大学)
  • 同志社大学庄子ゼミチーム:松村明樹(同志社大学)、宮本航哉(同志社大学)、庄子博人(同志社大学)
  • 熊本大学院・筑波大学・仙台大学 KTSチーム:山室 冴(熊本大学院)、スコット・アトム(筑波大学)、 山崎雄太(仙台大学)
  • 筑波大学 真っ白チーム:岡本大河(筑波大学)、渡邉達也(筑波大学)
  • 立命館大学 bulldogチーム:原 千優(立命館大学)、長谷川美南(立命館大学)、種子田穣(立命館大学)
  • 大阪府立大学 渡邊ゼミチーム:筒井雅之(大阪府立大学大学院)、近藤弘記(大阪府立大学大学院)、渡邊真治(大阪府立大学)
  • 東京大学大学院KTSチーム 鈴木雄登(東京大学大学院)、加藤辰弥(東京大学大学院)、高塚流星(東京大学大学院)
  • 慶應・東洋大学 関口・掛田チーム:関口海斗(慶應義塾大学)、掛田涼輔(東洋大学)
  • 上智大学院 横川チーム:松崎隼太 (上智大学大学院)、川島一浩(上智大学)、佐伯健太郎(上智大学大学院)
  • 関東学院大学「チャリティースクラッパーズ」:黒田 侑(関東学院大学)、小松虎二郎(芝浦工業大学)

 (敬称略)

 エントリーを通過した10チームを対象に、10月に日本サッカー協会(JFA)本部でオリエンテーションを開催、提供されるデータやSAPが提供するツール「SAP Analytics Cloud」の使い方などの説明を受けた。

 そしていよいよ11月3日朝、横浜F・マリノスのホームである日産スタジアムに集合した。この日のスケジュールは、スタジアムツアーなどを経て、14時キックオフのマリノス対FC東京の試合に来場する人に話を聞くフィールドワーク、そして夕方の分析作業だ。学生たちに提供されたのは、マリノスのデータ(個人が特定されないように処理された2016/17/18年のファンクラブのデータベースに入っている会員のインターネット上でのグッズ、チケットなど購買行動、スタジアム来場についてのデータ、公式サイトの会員ページにログインしたなどの履歴データ)だ。

 アナリティクスツール「SAP Analytics Cloud」を使ってデータ分析を行うにあたり、SAPからはボランティアで約20人の社員が参加、メンターとして受け持ちチームに張り付き、方向性やプレゼンテーションへの広範なアドバイスを通じて学生を支えた。

会場で分析作業をしたあと、多くのチームがホテルに戻っても夜通し作業をしたようだ
会場で分析作業をした後、多くのチームがホテルに戻っても夜通し作業をしたようだ(写真提供 JSAA)

 4日の最終プレゼンテーションでは、10チームが順番に自分たちが考えた施策を披露した。持ち時間は15分。プレゼン資料を見せながら簡潔に説明する。

 審査員は、SAPジャパンの岩渕 聖氏(Leonardo&Analytics事業本部部長 兼 スポーツ・イノベーション推進)、スポーツ庁参事官(民間スポーツ担当)付 参事官補佐 忰田康征氏、中央大学 理工学部 准教授で日本統計学会 スポーツ統計分科会の酒折文武氏、Jリーグデジタル 代表取締役社長 出井宏明氏、横浜マリノス株式会社 FRM事業部 担当部長 永井 紘氏、早稲田大学スポーツ科学学術院 講師/早稲田大学スポーツビジネス研究所 研究所員(幹事)舟橋弘晃氏、JSAA 代表理事の渡辺啓太氏の7人が務めた。


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著者プロフィール

  • 末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

    フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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