敬愛大学は、教育学部において、小学校教員を目指す学生が自由に理科実験を復習できる「理科実験リトライLabo」をスタートさせたことを、11月24日に発表した。教育実習前に担当する理科の実験を予習したり、児童に安全に指導するために小中学校時代の実験をやり直したりすることができるほか、理科の指導に苦手意識を持つ学生の苦手克服を支援するねらいもあるという。

同学では、近年、小・中・高校の理科教育で実験時間が減少し、学生が実際に手を動かして実験を行う経験が少ないまま次の世代の教育を担うことへの不安を背景に「理科実験リトライLabo」を開設した。
毎週金曜日に理科室を開放し、学生は顕微鏡や電気回路の装置などの実験機材を自由に扱うことができる。理科室には、東京都の中学校で理科教諭を長年務めた新田正博特別招聘講師が待機し、経験豊かなアドバイスを提供する。
11月14日には、教育学部の1・2年生3名が「電流」に関する実験を復習した。理論上問題なくても、電池の電圧低下や接触不良などにより回路がつながらない場合があるなど、模擬授業で実験を行う際の難しさを体感した。
新田講師は、理科実験に取り組む人数について、子ども同士が協力し合い、教え合う環境を作るため、「2~3人のグループがいちばん望ましい」と説明。5~6人の班ごとに実験を行わせると、どうしても理科好きの子どもが主導権を握り、ほかの子どもは見ているだけになることが多いという。このことから、2~3名で互いに協力しながら、子ども同士の言葉で教え合う環境を用意することが、理科の学びだけでなく社会を生き抜く力を身につけさせる教育になると述べている。
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