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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

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子どもも教師もワクワク! デジタルツールで生まれる令和の学び

特別な環境は不要! 学校の「話し合い活動」をGoogleのAI「NotebookLM」で分析する

子どもも教師もワクワク! デジタルツールで生まれる令和の学び 第18回

NotebookLMで話し合いを分析する

 音声データが集まったら、いよいよ分析のステップです。これまでアナログやデジタルの付箋で意見を整理していた作業も、NotebookLMを使えば、子どもたちの自由な話し合いの中から内容を容易に分析できます。

音声ファイルの収集と準備

 Padletを使った場合は、ダウンロードフォルダZIP形式でひとつにまとめられた音声データが保存されています。

 録音くんを使った場合は、Googleドライブの「録音くん保存フォルダ」を、右クリックして「ダウンロード」を選択すると、ファイルがZIP形式で一括ダウンロードされます。

 いずれの場合もダウンロードしたZIPファイルを展開(解凍)します。

 WindowsやMacに「パソコン版Googleドライブ」をインストールしておくと、ファイルが自動で端末に同期されるため、ダウンロードの手間が省けてさらに便利です。

 WebブラウザでNotebookLMにアクセスし、「新規作成」をクリックします。「ソースをアップロード」をクリックし、先ほど展開したフォルダ内にある音声ファイルをすべて選択してアップロードします。

NotebookLMへの読み込み手順
NotebookLMへの読み込み手順

 すべての音声ファイルの読み込みが終わったら、画面下部のチャット欄に、分析したい内容を質問形式で入力して送信すると、音声の内容を分析して結果が表示されます。

分析したい内容を入力
分析したい内容を入力

 音声ファイルにグループ名をつけておくことで、分析結果でもグループごとに内容が表示されるため、比較・検討がしやすくなります。あとは教師のセンスでさまざまな質問を投げかけ、話し合いを多角的に分析していきましょう。

グループごとに話し合いの内容を分析できる
グループごとに話し合いの内容を分析できる

AIと個人情報の取り扱いに関する注意点

 この仕組みは非常に強力ですが、責任ある利用のために、以下の点に留意してください。

AIによる分析結果の確認

 生成AIによる要約や分析は、あくまでも補助的なツールです。AIが生成したテキストは、必ず元の文脈や実際の音声と照らし合わせて内容を精査し、最終的な判断はご自身の目で行いましょう。授業中に話し合いの分析を使用する場合は、その場で「こんなこと話した?」と子どもたちに確認するのもよいでしょう。

個人情報の保護と事前指導

 NotebookLMは、現時点では入力されたデータをAIの学習に利用しない設定になっています。しかし、文部科学省のガイドラインにもあるように、個人を特定できる情報や他者のプライバシーを侵害する可能性のある内容は、原則としてアップロードすべきではありません。「○○さんの家の話」といった固有名詞や個人的な話題が出ないよう、話し合いのルールとして事前に子どもたちにしっかりと指導することが不可欠です。

限定的な共有設定

 Padletのボードや自作WebアプリのURLを共有する際は、必ずGoogle Classroomなどを通じてクラス内や学年内など、限定された範囲に留めましょう。意図せず外部に公開されることのないよう、共有設定には細心の注意を払いましょう。

まずは最小構成から「話し合い革命」を

 この記事で紹介した方法は、まさに「話し合いの革命」とも言える可能性を秘めています。これまでブラックボックスになりがちだったプロセスをデータとして捉え、指導に活かすことができます。しかも、それが追加費用なしで、今ある環境ですぐに始められるのです。まずは完璧を目指さず、5分間の短い活動をPadletで試すなど、ご自身が管理しやすい最小構成から始めてみませんか。

 手早くデータを集め、AIの力を借りて分析し、教師自身が最終確認して指導に活かす。このサイクルを回しながら、少しずつご自身の学級に合った形に育てていくことが、成功の鍵となるでしょう。

 次回の記事では、今回ご紹介した録音アプリのように、Googleの生成AI「Gemini」を使って簡単なWebアプリを作成する具体的な手順をご紹介する予定です。

 私のYouTubeチャンネルでは今回の実践を動画でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

話し合いの録音をAIで分析!Padlet×NotebookLMが授業を変える
時間無制限&自動保存!子どもたちの話し合いを簡単に録音するウェブアプリを作った

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この記事の著者

前多 昌顕(マエタ マサアキ)

 五所川原市立五所川原小学校教諭、青森県プログラミング教育研究会発起人で事務局長。初任の頃よりICTの教育活用に興味を持ち研究を進める。いったんICT教育と距離を取り、研究対象を思考ツールにしたが、プログラミング教育必修化をきっかけに再開する。マイクロソフト認定教育イノベーターエキスパート2018-...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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