ベネッセコーポレーションは、全国の少年院・少年刑務所・刑務所といった41施設に対して、グループの学校向け事業で展開するICTプラットフォーム「Classi」の提供を、5月に開始した。
法務省では、円滑な社会復帰に向けた修学支援施策として、少年院などにおける高等学校卒業程度認定試験の指導体制の強化を進めている。
一方で、少年院などにおける支援の現場は一般的な学習環境とは異なり、入院・入所の時期や期間が個々人によって異なることから、長期的かつ継続的な学習環境が整えにくい。そのため、個々の学習レベルに差がある、指導が指導者個々に委ねられているため指導の負荷が異なる、それぞれの施設で指導内容や指導者の知見に差異がある、といった課題を抱えていた。
これらの課題を解決すべく、個々人にあわせた個別最適な学びの提供と、各施設における指導者の指導方法向上支援を目的に、全国の少年院をはじめ、少年刑務所・刑務所といった計41施設で「Classi」が導入された。導入の際には、施策の効果を高めてもらうべく、ベネッセの高等学校向けアセスメント「基礎力診断テスト」の活用もあわせて提案しているという。
さらに、少年院などにおける修学支援が抱える課題に対して、ベネッセコーポレーションはグループのリソースを組み合わせた、以下のような指導環境を構築した。
ICTプラットフォームとして「Classi」を提供することによって、AIを活用した個別最適な学習内容を入所者ごとに提供したり、指導者が少年などの指導に必要な学習記録や教え方のノウハウなどを共有したりできる。また、自社アセスメントを活用して学習の目標設定や到達度を測れるようにするとともに、そのデータに連携可能な環境を提案し、活用してもらえるようにする。
「Classi」は、学校現場でとりわけ重要な「生徒の学習サイクル」「教員のコーチングサイクル」「生徒・保護者と教員とのコミュニケーション」の、3つのカテゴリを支援する統合型プラットフォーム。AIを活用した学習機能が搭載し、生徒は目標を達成するための「個別最適な学習」に取り組むことができる。ベネッセのアセスメントであるベネッセ総合学力テスト(進研模試)やスタディーサポート、基礎力診断テスト、学力推移調査と連動して、一人ひとりのベネッセアセスメントの結果に応じた、おすすめ問題を独自のAIが出題して学習効果を最大化する。
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