授業で使うその前に
前回は生成AIの授業活用の、私なりの分類についてお伝えしました。
「早速授業で使ってみたい!」「もう使ってみた!」という方もいらっしゃるかと思います。もちろん授業で使うのもよいのですが、まずは授業以外の校務で使ってみると、生成AIに慣れることができるのでおすすめです。
「NotebookLM」で難解な資料を理解しやすくする
学校には文部科学省や教育委員会から、重要かつ難解な文書が日々送られてきます。それらを読み解くにはかなりの時間がかかります。
「NotebookLM」は、Googleが提供するAI搭載のノートツールです。アップロードしたPDFやテキストファイル、WebサイトのURLを解析して要点を抽出したり、情報を整理・要約したり、質問に答えてくれたりします。アップロードしたデータの中から回答を出してくるので、ハルシネーション(正確な情報の中に誤った情報が混ざってしまうこと)が発生しにくいのも特徴です。また、アップロードしたデータをAIの学習に使用しないため、学校でも安心して使えます。
ここでは文部科学省のサイトに掲載されている「教育基本法」を使って手順を説明します。
まずはNotebookLMのページ(https://notebooklm.google.com/)を開きます。初めて起動すると、ユーザーの個人データがNotebookLMのトレーニングや改善に使用されないことの説明が表示されます。
次の画面で「作成」をクリックすると、ソースを追加する画面になります。ソースにはファイルのアップロードのほかに、Googleドライブ内のファイル、WebサイトやYouTubeのリンク、テキストの貼り付けが選択できます。ここではPDFをアップロードするので、「ソースをアップロード」をクリックし、アップロードしたいファイルを選択してから「開く」をクリックしてください。
アップロードが終わると、資料の概要が表示されます。ただし、説明があまりにもあっさりしているので、全体像の理解にはつながりません。そこで下部のチャット欄に、もう少し詳しく説明してほしい旨を入力して送信します。すると、もう少し詳しい概要が表示されます。
これで理解できるのであればここで終わってもよいのですが、さらに簡単にするために「小学生でも理解できるように説明してください」と入力して送信してみましょう。すると、より平易な表現で資料の内容を説明してくれます。
自分の好きな作品の世界観で説明させることも可能です。ここでは「桃太郎」の世界観で説明するように入力して送信してみます。すると、桃太郎の世界観をメタファーにして資料の説明をしてくれます。
重要なのは、小学生向けの文章や物語の世界観で説明されたものだけを読んで、そこで終わりにしないことです。必ず、理解が足りない部分が出てきます。難解な文書を生成AIの活用で平易な内容に書き換え、頭を「生わかり状態」にしてから、原文を読んで正しく理解する必要があります。それでも、最初から原文を読むよりも、かなりスムーズに理解が進むはずです。