山田進太郎D&I財団は、中高生女子向けのSTEM(理系)領域の職場体験プログラム「Girls Meet STEM Career」を、JR東日本、MUFG、Honda、LINEヤフー、理化学研究所など16の企業および研究機関と連携して立ち上げ、7月11日より参加受付を開始した。プログラムでは企業・研究機関のオフィスツアーやSTEM領域で活躍する社会人女性との交流を通じて、中高生女子が楽しくSTEM領域の職場を体験できる機会を提供する。
日本のSTEM領域への女性の大学進学率は、OECD諸国の中で最低水準の19%で(令和5年度文部科学省「学校基本調査」より、理学部・工学部を合算して算出(山田進太郎D&I財団調べ))、エンジニアとして活躍する女性の比率もOECD平均20.0%に対して日本は16.9%(ヒューマンリソシア株式会社「IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査」2024年3月発表)と低く、人材の育成が遅れている。
一方、経団連による女性理工系人材に関するアンケート(博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に関するアンケート、2024年2月公表)によると、理工系女性を増やすと回答した企業は6割を超え、企業からの需要は高まっていると言える。
STEM領域で活躍する女性を増やすためには、進路選択前の女子生徒がSTEM領域の仕事や学びに触れる機会を提供し、キャリアへの興味を高めることが重要となる。同財団が実施した中学生女子272名を対象としたSTEM領域で働く女性との座談会では「STEM職種への関心」が約3倍に、「女性に向いている職種であるイメージ」が約9倍に増加するなど、STEM領域で働くロールモデルと早期に出会うことの重要性が明らかになったという。
近年、中学など早い段階からSTEMへの関心を高めるため、自治体と企業が連携したSTEM領域の職場体験プログラムが増えている。この流れを社会においてさらに拡大すべく、同財団は16の企業・研究機関と協力し、さまざまなSTEM領域の職場ツアーを体験できるプラットフォームを構築した。これにより、中高生女子が興味・関心に沿った体験を身近な場所で発見し、STEM領域での女性ロールモデルと出会い、好きなことを積極的に選択できるよう支援する。
「Girls Meet STEM Career」は、山田進太郎D&I財団が企業・研究機関と協力して実施する、ツアー形式のプログラム。中高生女子がSTEM(科学・技術・工学・数学)領域で働く人や実際の現場に触れることで、将来の可能性を広げる機会を提供する。具体的には、全国の企業のオフィスツアーや工場・研究所ツアー、社会人ロールモデル女性との交流会などが行われる。2024年7月より開始し、以降、通年で実施される。参加対象は中学1年生から高校3年生までの女子(性自認が女性である人を含む)で、プログラムによっては保護者も参加が可能。プログラムは対面もしくはオンラインで実施する。
2024年7月時点の参画企業および研究機関は以下の通り。
旭化成/アサヒグループホールディングス /NTTデータグループ/京セラ/サイバーエージェント/サントリーホールディングス/SOMPOホールディングス/日本電気/東日本旅客鉄道/本田技研工業/三菱電機/三菱UFJフィナンシャル・グループ/メルカリ/LINEヤフー/国立研究開発法人理化学研究所/リクルート
各企業のプログラムには「Girls Meet STEM」の公式サイトから参加申し込みが可能。
7月11日には記者発表会とあわせて、今後実際に行われる企業オフィスツアーのデモがLINEヤフー(東京都千代田区)で行われ、昭和女子大学附属中学校・高等学校の生徒約20名が参加した。
記者発表会で、メルカリの取締役 兼 代表執行役 CEO(社長)で同財団の代表理事を務める山田進太郎氏は、「産業界は強い危機感を持っている。多様な視点と才能を取り入れることが企業の成長と持続可能な社会の実現に不可欠だからだ。参画企業や団体をさらに増やしながら、皆さんとともによい未来を作るための行動を加速させたい」とコメントした。
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