東京都の離島・利島村(としまむら)は、ビズリーチが運営する転職サイト「ビズリーチ」において、同村の教育改革を推進する教育長を公募している。公募期間は4月16日~5月13日。なお、全国の自治体において民間の転職サイトを活用して教育長を公募するのは、今回が初となる。
利島村では、1月に教育改革の大きな柱として「利島村“人づくりが島づくり”大網」を公表した。離島だからこそできる新たな教育改革として、すでに小中一貫教育を行う「義務教育学校」への移行や、それにともなう校舎建て替えの検討を開始するなど、学校教育の範囲だけでなく村民全体に学びが広がる「一体感のある島づくり」を進めている。その一方で、現教育長の任期満了も見据えて、後任として離島の教育改革を担う人材の採用が急務となっていた。
今回の教育改革では、プロジェクトマネジメント能力や多様なステークホルダーとの調整力といった、教育の識見以外の能力も必要となる。そこで、利島村は教育行政の経験者に限定せず優秀な人材を教育長に選出できるよう、自治体では初となる「ビズリーチ」での教育長の公募に至った。新たな教育長には、引き継ぎ期間として現・教育長の伴走のもと教育行政に関する研修なども予定している。
教育長としての業務内容は以下の通り。
- 「義務教育学校」の強みを生かした、島ならではの学校づくり
- 小中学校の校舎建て替え
- 教職員が意欲的に研鑽できる「教師が育つ利島」の実現
- 島民が当事者意識を育みながら成長できる生涯学習の施策推進
- 島民の一体感を醸成するためのイベント・行事の企画と実施
- そのほか、村議会での答弁や教員人事のための調整など
業務は、村長・副村長・村議会議員、村役場の職員、村内の学校の校長・教職員、住民(児童生徒の保護者など含む)、東京都や他島の教育委員会などと連携して行っていく。
雇用形態は任期付き職員となり、契約期間は3年間(3年後、利島村長の意向によって再任の場合あり)。引き継ぎも兼ねて、教育長候補としての1~3か月間の試用期間があり、年収目安は800万円~900万円。なお、島外への出張費用などは別途支給されるほか、住宅は島側で用意する(少額の自己負担あり)。
必須要件は、以下の経験・能力を有すること。
- 企画やプロジェクトを0→1で新規に立ち上げ遂行まで行った経験(例:民間企業での新規事業開発経験、行政や学校で新規の企画を行った経験など)
- 組織外のステークホルダーと広く連携・事業推進を行った経験(プロジェクトマネジメント経験)
- 離島の教育や離島の将来について明確で前向きなビジョンを持ち、現状をよりよく改善できる実行力
歓迎要件は以下の通り。
- 地方自治体などで教育行政や地域づくりに携わった経験
- 民間企業やNPOなどで教育事業に携わった経験
- その他、教育に関する専門性の高い職務に携わった経験
なお、教育長に任命されるには、法令(地方教育行政の組織及び運営に関する法律等)に基づいて、以下の要件を満たしている必要がある。
- 日本国民で満25歳以上であること
- 人格が高潔で、教育行政に関し識見を有すること
- 被選挙権を失う条件に該当しないこと
また、教育長への任命にあたっては、利島村議会の同意が必要となる。
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