ニュークリエイター・オルグは、情報セキュリティに対応した教育機関向けプライベートChatGPTを聖パウロ学園高等学校に提供開始したことを、1月29日に発表した。教員のみならず生徒にも提供できる環境を提供することで、教育機関として必要な安全性や不適切な利用を防止するだけでなく、学内の利用を積極的に推進できるようになった。
対話型の生成AIサービスの利用時には、ユーザーの入力に含まれる個人情報や企業の内部データが学習データに用いられることで第三者に情報が渡ってしまうリスクがある。こうした情報流出リスクが問題視され、企業や教育機関へのChatGPT導入のハードルは高いのが現状と言える。
同サービスでは、Microsoft社のAzure OpenAI Serviceの組み込みにより、リスクを排除した安心安全な教育機関専用の対話型生成AIを活用できる環境を提供する。
教育機関向けプライベートGPTの特徴は以下の通り。
専用のプライベート環境
Microsoft社が提供するAzure OpenAI Serviceを用い、入力されたテキストを専用の環境以外では処理しないように設計している。これにより、機微情報が学習に用いられることなく外部への流出を未然に防ぐことが可能。
ドメイン設定
ed.jpや.ac.jpといった学校の独自ドメインを設定することが可能で、構成員が安心してサービスを利用できる。
IPアドレス制限
アクセス元のIPアドレスの制限設定が可能で、学内からのみの利用や教員のみの利用を許可するといった使用に限定することが可能。
使用量ベースの契約
クレジットカードでの引き落としではなく、発注書での日本円建ての利用が可能となるため、予算を超過した使い過ぎの防止が可能。利用するケースに合わせた契約条件の設定が柔軟になる。
聖パウロ学園高等学校では、生成AIを含む新しいテクノロジーに生徒たちが触れる機会を提供することに重点を置いている。生成AIを制限するのではなく、どのように活用するかを模索しており、教員は生徒たちに生成AIを使わせる前にまず自分たちが熟練する必要があると考え、教員向けの研修を実施した。
教員向けの研修では、プログラミング教育や情報科に限らない使い方、学校運営の授業以外の業務効率化などに関するコンテンツを実施した。これにより、教育現場での積極的な生成AIの活用が促進されている。
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