ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)と共同で行っている「乳幼児の生活と育ち」プロジェクトの一環として実施した、「乳幼児の生活と育ちに関する調査2017」の結果を6月20日に発表した。
「乳幼児の生活と育ち」プロジェクトは、同一の親子を対象に、複数年にわたって継続して調査を行い、子どもが育つプロセスや親の関わり方の影響を明らかにすることを目的としている。
「乳幼児の生活と育ちに関する調査2017」は、平成29年9月~10月の期間に、0歳6か月~1歳5か月の子どもを持つ母親2975名、父親2624名の調査モニターに対して、郵送調査によって実施された。
「あと何人、子どもをもつ予定ですか」という質問では、あと1人以上「もつ予定」と答えた母親は45.5%、父親は46.5%。一方で、母親の28.6%、父親の22.3%は「もっとほしいが難しい」と答えている。
子どもをあと1人以上「もつ予定」という親のうち、すでに子どもが1人いて2人目を「もつ予定」の母親は73.3%、父親は74.6%であったのに対して、すでに子どもが2人いて3人目を「もつ予定」の母親は21.7%、父親は21.4%だった。
子どもを「もっとほしいが難しい」と答えた人に、その理由を尋ねたところ(複数回答)、「子育て・教育の費用」「身体的な負担」「仕事との両立」が上位を占めている。
また、子どもをあと1人以上「もつ予定」という家庭の多くが、夫婦や親族、子育て支援センターや園などのサポートを得た「チーム育児」を行っていることがわかった。
父親の平日の子育て時間が「2時間以上」という家庭は、夫婦での「チーム育児」を行っている家庭では29.0%、夫婦での「チーム育児」を行っていない家庭では7.2%と、大きな差がついている。
父親の子育て分担比率では、夫婦での「チーム育児」を行っている家庭の23.3%が「3~4割以上」を父親が担っているのに対して、夫婦での「チーム育児」を行っていない家庭の17.2%は父親の子育て分担比率が「0」だった。
さらに、父親の職場が「定時で帰りやすい雰囲気」かどうかを尋ねた質問では、夫婦での「チーム育児」を行っている家庭の46.3%が「定時で帰りやすい雰囲気」があるのに対して、夫婦での「チーム育児」を行っていない家庭では26.0%と、父親が「定時で帰りやすい雰囲気」のある職場に勤務している方が、夫婦による「チーム育児」を行いやすい傾向にある。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア