武蔵野大学 データサイエンス学部の中西崇文准教授と岡田龍太郎助教は、イトーキと共同で非認知能力(ディスカッション能力やプレゼンテーション能力、分析能力など)を評価する、「学習成果証明システム」を開発したことを12月19日に発表した。同証明は、12月14日にNFTで発行されている。
「学習成果証明システム」を活用して、企業がインターンシップ参加学生に学習成果証明を発行することで、学生は就職活動時に自身の非認知能力を企業や団体に証明することが可能になる。
同システムは、学生の就活において、非認知能力を企業の面接官に伝えにくいという課題を解消するために開発された。インターンシップを評価する学習成果証明システムの開発を第1ステップとし、同システムの使用によって学生は自身の非認知能力を外部に証明できるようになる。
なおシステムの開発にあたっては、客観的な評価を行うべく、中西准教授とイトーキが2018年から共同開発していた「グループワーク分析システム」を活用した。「グループワーク分析システム」では、会議やグループワークの録音データ(声の大きさや間の取り方、強調の仕方など)と、録画データ(表情や身振り手振りなど)を可視化して分析する。発話量や盛り上がりの推移などの抽出、参加者それぞれの個性、役割、会議への貢献度などを客観的に導き出せる。
9月4日~15日の期間には、データサイエンス学部のインターンシッププログラムにおいて「学習成果証明システム」が利用され、5名の参加学生(3年生)に学習成果証明が発行された。同プログラムでは、「学習成果証明システム」が質的評価と量的評価の両軸で非認知能力を評価するのに用いられた。質的評価はインターンシップ参加者である学生間の他己評価と、教員およびインターン事務局による管理者評価から算定している。また、量的評価には「グループワーク分析システム」を活用し、算出した発話時間や授業中の作業時間の記録を自動集計した。
評価項目は、武蔵野大学独自の学びのサイクルである「響学スパイラル」を参考に、
- 課題発見・目標設定能力
- ディスカッション能力
- クリエイティブ能力
- プレゼンテーション能力
- 評価・分析能力
という5つの評価軸を設定している。従来、グループワークにおける非認知能力の評価は、教員をはじめ採点者の主観に頼っていたが、「グループワーク分析システム」による量的評価を掛け合わせることで効率的かつ客観的な評価が可能になっている。
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