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イベントレポート(アダプティブラーニング)

マイクロソフトリサーチが取り組むAI研究と教育ICT


 マイクロソフトリサーチはさまざまな最先端技術の研究を行っている。その中には「コルタナ」や「Zo」のようなチャットボットに代表されるAI研究も含まれている。マイクロソフトがAIを取り巻く技術開発にどのようなアプローチで臨んでいるのか。それを説明するプレス向けのラウンドテーブルが2月27日に開催された。その中、同社のAI研究と教育ICTとの関係、取り組みについて、マイクロソフトリサーチ コーポレートバイスプレジデント ジャネット・ウィン氏に質問する機会を得た。ラウンドテーブルの内容とともにまとめてみたい。

マイクロソフトリサーチ コーポレートバイスプレジデント ジャネット・ウィン氏

マイクロソフトリサーチ コーポレートバイスプレジデント ジャネット・ウィン氏

マイクロソフトのAI戦略、3つのポイント

 マイクロソフトは「Bing(検索エンジン)」や「コルタナ(音声認識アシスタント)」といった製品で、目に見える形でAI(機械学習やディープラーニング)を応用した製品・サービスを実用化している。ウィン氏は、AI関連技術は、コンピュータだけでなく社会やビジネスの場においても、その重要性は増すとして、マイクロソフトおよびマイクロソフトリサーチでは、AIを重点項目として研究、開発に注力すると言う。

 2016年9月には、Bing、コルタナ、Azure(マイクロソフトのクラウドプラットフォーム)の開発チームをマイクロソフトリサーチの一部として統合し、5000人規模の新しい部門(Microsoft AI and Research Group)を設立している。ここで、機械学習やディープラーニングといったAIテクノロジーの研究を集中して行い、同社の製品やサービスに積極的にAI機能を取り入れていく考えだ。

 ウィン氏によれば、この戦略には3つのキーとなるアプローチがあると言う。1つは基礎研究(Fundamental)。次にタスクコンプリ―ション。3つめはトラステッドAIという考え方だ。

 基礎研究では、機械学習やディープラーニングを中心としたAIアルゴリズムの開発と製品への実装であり、主な適用分野は自然会話認識や機械翻訳。マイクロソフトでは、すでにスカイプに翻訳機能を実装しているが、リアルタイム性の追求、多言語対応、またより自然な会話に対応する自然言語理解、コンテキストを踏まえた通訳、翻訳機能を開発中とする。もう一つは、英国で進めているという画像認識技術。医療分野で、AIによる画像解析による乳がんの発見技術を研究している。

 タスクコンプリーションとは、業務や生活におけるインテリジェントアシスタントとして、例えばメールや予定のリマインドをしてくれる機能だ。コルタナがこれに近い機能をサポートしているが、まだユーザーが設定した項目のリマインドやスケジュールのプッシュ通知をする程度で、ユーザーが忘れていることや、一連の処理や作業に応じたアシストまではできていない。この機能は、簡単なように見えるが、AI技術としてはかなり挑戦的な分野だ。ユーザーが直接指示を与えなくても、スケジュール、メールやメッセージのやり取り、その他行動から、必要なタスクはなにかを正しく判断するのは難しい。

 トラステッドAIとは、AIに対して公正さ、説明責任、透明性が確保されている状態を指す。機械学習やディープラーニングでは、事前に学習するためのデータが必要だが、これに偏りやバイアスがかかっていると、AIの判断は公正なものとはならない。ターゲティング広告にAIを使う場合、それが差別的なレコメンドになってしまう可能性もある。じつは機械学習やディープラーニングは、同じデータを入力しても同じ結果を返すとは限らない。これは、ロジックで処理内容や結果が予測可能な一般的なプログラムやコンピュータと違う点だ。そのため、なぜAIがその判断をしたかを検証できるように、可能な限りアルゴリズムやモデルの透明性を確保する必要がある。

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この記事の著者

中尾 真二(ナカオ シンジ)

フリーランスのライター、エディター。 アスキーの書籍編集から始まり、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは当時は言わなかったが)はUUCPの頃から使っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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https://edtechzine.jp/article/detail/1 2017/04/10 16:40

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