独自のカリキュラムを作成した、学校情報化先進校の原山小学校
筆者が校長を務める千葉県印西市立原山小学校は、児童数253名、全15クラスの規模の学校です。2022年に日本教育工学協会より、学校情報化先進校(情報教育)の認定を受けました。子どもたちの情報活用能力を高めるために、各教科をはじめ委員会活動などの特別活動においてもICT活用を積極的に行っています。また、2020年10月からは1人1台のChromebookを配備しています。
本校の研究テーマは「情報を論理的に活用し、問題発見・解決できる児童の資質・能力の育成」です。今年度の新規の取り組みとして、授業時数特例校制度を活用し、新しい情報教育のカリキュラム開発を行っています。カリキュラムでは、データサイエンスや情報デザイン、プログラミング、デジタルシティズンシップなどの領域を学習内容としており、外部の専門家を呼び情報探究に関連した授業をしています。先日は、ChatGPTに代表されるような生成AIの活用、向き合い方などについて学習しました。
なお、筆者自身は大学時代からコンピューター関連について学んでいました。コンピューターのプログラムやデータの記録メディアとして紙テープを使用していたころのことです。教員になってからも、コンピューターを仕事に使えないかと考え、校務で使うこともありました。平成に入ってからは、自身の担当クラス内でパソコンを教室に置くようになりました。当時予算はなかったので、使わなくなったパーツを組み合わせた自作パソコンです。ネットワークにつないで、子どもたちがホームページを作成して学校生活を紹介したり、さまざまなテーマでブログを毎日更新したりするなどの広報活動ができるようにしました。
6年生が1年生をサポートして、最初の一歩のハードルを下げる
原山小学校では、1年生と6年生でペアを組み、6年生は1年生の給食の手伝いなど学校生活のサポートを行っています。コンピューターの授業でも、このペアを活かしています。まずは、1年生に端末を渡す「貸与式」でのサポートです。端末を受け取ったらログインをして、Chromebookのカメラを使って写真を撮影、クラウド上で共有するところまでを行います。
1年生にとって、自分でローマ字のID、パスワードを入力してログインするだけでも難しく、担任だけで一人ひとりをフォローしていたら、授業時間が足りません。そこで、6年生がサポートに入り、ペアになっている1年生の作業をサポートすることで、最初のステップのハードルを下げているのです。一通り作業ができるようになれば、その後の授業で1年生でも基本的な操作はできるようになります。
なお、6年生は6~7人から成る実行委員会があり、実行委員会が当日の貸与式の流れを企画して、ファシリテーションします。ログインや写真撮影、共有のやり方についても、委員会で分担して作成したスライドを使って説明していました。もちろん6年生のクラス担任が実行委員会のサポートをしますが、基本的に委員会の自主性を活かして企画を行っています。