さんぽうは、高校教員に対して専門職大学をどう受けとめているか、現段階での期待や懸念について尋ねた「専門職大学に関するアンケート」の結果を、5月17日に発表した。
「専門職大学に関するアンケート」は、4月7日~5月11日の期間に、全国の高等学校進路指導部に対してFAXによる配布・返信で実施され、741枚の回答を得ている。
専門職大学に対する認知度を尋ねたところ、48.8%が「名称だけは知っている」と答えており、前回調査(48.3%)からの大きな変動はない。一方、「まったく知らない」(7.6%)は前回調査(26.7%)から大きく減少したほか、「おおむね知っている」(41.1%)も前回(24.4%)から上昇していることから、専門職大学に関する情報が教育現場に広がりつつあることがわかる。
専門職大学の創設に対する期待について尋ねた質問では、63.3%が「わからない」と答えたほか、「あまり期待しない」「期待しない」は合わせて16.4%、「大いに期待する」「期待する」は合わせて20.4%だった。
専門職大学の創設について、特に求めることとしては、「高度な職業教育」(58.5%)、「高い就職率」(47.1%)が上位となっており、前回調査において上位だった「高度な職業教育」「高い就職率」「学費の安さ」「進路選択の幅が広がること」は引き続き上位となった一方で、前回は少なかった「充実したカリキュラム」「資格取得支援制度」を求める声が増えている。また、「専門学校による参入」を求める声が増えたものの、「既存大学・短期大学からの転換」への期待度は低下した。
専門職大学への懸念について尋ねたところ、「専門学校との違いがわからない」(64.0%)、「既存の大学・短期大学との違いがわからない」(47.6%)という意見が前回調査に引き続き多く見られる。また、前回調査でも多かった「生徒や保護者が理解できるか」「就職先や就職率」「学費」「高等専門学校との違いがわからない」「教授陣・講師陣の確保」「入試制度」といった声も依然として高い水準を保っており、懸念が未だ払拭されていないことがわかる。
専門職大学について、特に知りたいこととしては、「カリキュラム」(51.0%)が最多であり、専門職大学制度の特徴である「実務実習先」(15.2%)、「実務家教員陣」(9.8%)への関心はあまり高くない。
専門職大学を進路希望調査などの選択肢に加えているかを尋ねた質問では、「加えている」が6.0%、「加えていない」が60.6%、「検討中」が33.4%となっており、こういった結果は教育現場における専門職大学に関する情報不足が原因と予想される。
【関連リンク】
・さんぽう
・「専門職大学に関するアンケート」(PDF)
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