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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZineオンラインセミナー

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イベントレポート(先端技術)

教育系の新興サービスを支えるエンジニアたちが明かす、エドテックの開発事情――「EdTech Engineer Meetup」レポート


 『EdTech Engineer Meetup #1』が昨年7月7日、mixi(東京都渋谷区)で開催された。これは、教育関連事業に携わるエンジニアが顔を合わせ、パネルディスカッションを行うもので、登壇者をはじめ会場に足を運んだ参加者の中にも、EdTechに関わるエンジニアや関心を寄せるエンジニアが多かった。本レポートでは、EdTech業界で活躍しているCTO3名が各社の開発風景を語ったパネルディスカッションと、4名のエンジニアによるLTの様子をお届けする。

社会貢献を胸にEdTech業界へ足を踏み入れた各社のCTOが、自社の開発体制を赤裸々に紹介

 まずは司会の本間知教氏(Classi株式会社 プロダクト部)から「EdTech業界では、他業界と違い、業界の中で働いているエンジニア同士が交流する機会があまりないので、各社の考え方や課題などを共有して、EdTech業界内の方々を始め、他業界の方にも興味をもっていただければと考えています」といった趣旨が語られた。

 そしてパネルディスカッション参加者が紹介され、まずは岸田崇志氏(株式会社LITALICO CTO室 執行役員CTO 博士/情報工学)が登場。続いて齊藤秀治氏(スタディプラス株式会社 CTO/開発部 部長)、佐々木達也氏(Classi株式会社 CTO)が登場し、各社のCTOが自社のサービス開発や技術、人などについて紹介した(記事中の数字および所属は講演当時、7月時点のもの)。

左から司会の本間氏、パネリストの岸田氏、齊藤氏、佐々木氏
左から司会の本間氏、パネリストの岸田氏、齊藤氏、佐々木氏

岸田崇志氏@takish):LITALICO(りたりこ)の岸田崇志です。LITALICOはさまざまな教育事業などリアル店舗のビジネスを行っており、技術的なイメージはあまり持たれていないかもしれません。

 私自身は大学で情報工学を専攻し、インターネット技術の研究をしながら教育への応用などについて学びました。その後、ネットワークエンジニアを経てグリーに入社。執行役員として日本事業を担当し、プロダクトマネージャーとしてWebサービスやソーシャルゲームの企画開発などを行いました。今後の日本の役に立ちたいと思いはじめていたところ、LITALICOに出会い、技術部門の立ち上げから携わることになりました。

 LITALICOの教室や事業所は、全国に約130か所あり、発達障害の方を始め1万人以上が通われています。「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、多くの店舗を展開していますが、技術に関してもさまざまなことにトライしています。

 サービスの一例としては、自閉症などによってコミュニケーションが難しいお子さまを、絵カードでサポートする「えこみゅ」というアプリの提供が挙げられます。以前は紙のカードを使っていましたが、教室ではタブレットを用い、自宅では親御さんのスマホにインストールしていただいたアプリを立ち上げることで、コミュニケーションを助けます。また「ねずみタイマー」アプリは、食いしん坊のねずみがリンゴをかじっていく様子を「見える化」し、時間の経過を表現。福祉に役立つツールは海外でもニーズが高く、アプリのダウンロードランキングにおいて台湾1位、米国2位、中国3位を記録しました。

海を越えて高い評価を得ている福祉系アプリ
海を越えて高い評価を得ている福祉系アプリ

齊藤秀治氏@siukaido):スタディプラスの齊藤です。私は2007年の10月くらいまで、兵庫県の某公立大学の大学院に行っていたのですが中退して上京。まだSNSが事業のメインだったグリーに入りました。

 入社して1年ほどSNS事業でエンジニアをしていましたが、会社がゲーム事業へ注力することとなり、私もそちらへ配属され、「釣り★スタ」「ドリランド」といった男性向けソーシャルゲームを担当してきました。そんな中コンプガチャ(コンプリートガチャ)が問題となり、ソーシャルゲームに対して、ちょっとネガティブな印象が世の中に出回るようになりました。

 僕自身は今でもソーシャルゲーム好きですが、「10年後、子どもが生まれたとして、誇れる仕事だろうか」と思いはじめ、スタディプラス代表の廣瀬高志と出会ったことを機に、教育もSNSもやっている弊社に、CTO兼部長として入りました。

 スタディプラスは「学ぶ喜びをすべての人へ」をミッションに掲げ、B to CとB to Bのサービスを運営しています。B to Cの「Studyplus」は、勉強を習慣化できるサービス。日々の勉強の記録をつけるとタイムラインに表示され、直接知っている人でなくても「自分もがんばろう」「自分もその教材を使ってみよう」などと思えるので、お互いの存在が刺激になります。

生徒同士が励ましあう仕組み
生徒同士が励ましあう仕組み

 一方、B to Bの「Studyplus for School」のキーワードは「先生が生徒をほめる機会を最大化する」。先生が立てた計画を、生徒はスマホで見ることができ、その生徒の勉強の記録を、今度は先生が見て、声かけなどでサポート。さまざまな学校をはじめ、代々木ゼミナールさんでは全校・全生徒に導入されています。

佐々木達也氏@sasata299):Classi(クラッシー)の佐々木です。Classiは、先生の授業をはじめ、生徒指導や生徒の学習なども支援する、学校向けのWebサービス「Classi」を提供しています。小学校も中学校も対象ですが、主なターゲットは高校生で、多くの中高一貫校にも利用いただいています。

 ユーザーは学校の先生、生徒、そして生徒の親御さん。現在、1800校強の学校にClassiをお使いいただいています。日本にある高校の3校に1校でご活用いただいていることになり、有料会員数は約70万人です。

 Classiの企業理念は「子どもの無限の可能性を解き放ち、学びのかたちを進化させたい」。具体的にやっていることを3つ挙げるなら、まず「生徒カルテ」。生徒の情報を一元管理するもので、全国模試の結果をはじめ、先生がどんな指導をその生徒にしたか、部活動ではどんな様子かといったことまで記録しています。以前は先生のもとにもなかなか集まりにくかった情報を、この機能によって一元化しました。

 2つ目が「Webテスト」。生徒がどのくらい理解したかを確認する小テストなどを行う際、条件を入れて問題を探し、配信先のクラスを選べば、生徒のスマホにテストの通知が飛び、生徒が解答すると自動で採点されます。

校務支援の機能も強い
先生の業務を支援する機能も強い

 3つ目は「校内グループ」で、Web上の掲示板のようなもの。例えば、学校で落とし物があった際、この「校内グループ」機能によって、落とし物がすぐ見つかったということもありました。

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技術が子どもたちの可能性を高める、その実感が喜びとやりがいに

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この記事の著者

大倉 恭弘(オオクラ ヤスヒロ)

デザイナー出身のコピーライター、ライター。広告やWebの企画・制作をはじめ、インタビュー取材・構成にも数多く携わる。2児の父であり、ICTやプログラミング学習など、教育関連の情報サイトでの執筆も少なくない。HTML、CSS、JavaScript、Swiftを中心に、ほぼ独学でプログラミングにも取り組...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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