ベネッセ教育総合研究所は、2017年(平成29年)に日本・中国・インドネシア・フィンランドの都市圏で、幼児期の子どもを持つ母親を対象に実施した「幼児期の家庭教育国際調査」の分析第2弾として、働く母親・父親のワーク・ライフ・バランスの実態について、8月1日に報告を行った。
同調査によれば、働く母親の帰宅時間は、日本・中国では「18時台」、インドネシア・フィンランドは「16時台」がピークで、中国の母親の帰宅時間がもっとも遅い。
一方、父親の帰宅時間は、日本が「19時台」から「22~0時台」に分散しており、中国は「18時台」、インドネシアは「19時台」、フィンランドは「16時台」がピークだった。
父親が平日に子どもと一緒に過ごす時間は、日本の父親がもっとも短く、6割が「2時間未満」となっている。さらに、帰宅時間が21時台以降の日本の父親の6割は、子どもと過ごす時間が「1時間未満」だった。なお、休日は、日本の父親の5割以上が「10時間以上(睡眠時間を除く)」子どもと過ごしている。
日本の父親が育児の中で週3日以上行うのは、「外遊び」(16.1%)、「室内遊び」(33.7%)、「寝かしつけ」(31.2%)で、子どもと遊ぶ頻度は4か国中で最低だった。
子どもの平日の就寝時間では、日本は「21時頃」、中国は「21時半頃」、インドネシアは「20時頃」、フィンランドが「20時半頃」がピークとなっている。
日本の父親が家事の中で週3日以上行うのは、「食事のしたく」(25.2%)、「食事の後片付け」(41.6%)、「ごみ出し」(39.4%)、「洗濯」(27.6%)で、家事への取り組み頻度はフィンランドに次ぐ。
なお、育児については20時台に帰宅する父親と、21時台以降に帰宅する父親とでは取り組み頻度の差が大きいが、家事は育児と比較して帰宅時間による取り組み頻度の差が少ない。
日本における祖父母の家事・育児への協力は、「子どもを預かってもらうこと」(49.9%)、「園などへの送迎」(30.2%)、「家事」(26.8%/「よくある」と「ときどきある」の合計)となっている。また、祖父母との同居は中国が特に高く、祖母との同居比率は5割を超える。
日本における働く母親のワーク・ライフ・バランス満足度は44.3%で、4か国の中ではもっとも低い。そして、父親の家事頻度が高いほど、母親のワーク・ライフ・バランス満足度が高いという結果となっている。
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