葛飾区立東金町小学校は、パナソニック教育財団特別研究指定校として、研究発表を10月22日13時〜16時50分に開催する。参加費は無料で、事前登録が必要。参加人数は100名となっている。
今回開催される研究発表では、「日本型教育実践とICTを利活用したSTEAM型教育をベストミックスした令和の学びのスタンダード化の実現」を研究主題とする。東京都の公立小学校としては約10年ぶりに特別研究指定校となった同校が、公立小学校としてICTの活用と探究をどこまでできるのかについて、これまでの成果を苦悩やそれを乗り越えた工夫なども交えて報告する。
同校ではこれまで、「STEAM教育」についてと、児童が主体となって学習計画を立てて学習に取り組み、振り返り修正していく「アジャイル教育」について研究してきた。2024年度は、これまでの研究を統合して習得から探究へつなぐ「習得—活用—プロジェクト—探究」カリキュラムの開発について研究している。
同研究を通じ、単なる「調べ学習」にとどまらない「探究」を従来の学校の学びとつなげて、学習として成立させることを目指す。研究発表では、公立小学校が主体的・対話的で深い学びを実現すべく経てきた苦悩と、それを乗り越えようとしている過程を発表する。
具体的には、「習得—活用」として1年生における国語、「活用」として4年生における算数、「探究」として5・6年生における総合の授業が公開される。
1年生における国語の授業では、「1年生の『活用』とはどのようなものか」をテーマに、1年生国語科の教科書における単元間で「習得」から「活用」への、グラデーションのある指導を提案する。
4年生における算数では、これまで学習してきた面積の知識を活用して、L字型の図形の面積を求める問題に児童らが取り組む。対面を生かしてトリオで、ICTを生かしてオクリンクプラスで、互いの考えや作戦を共有して問題解決に挑む。
5・6年生における総合の授業では、4月〜7月に「自分の好きをトコトン!」をテーマに探究してきたものの、7月の発表では調べ学習からの脱却に至らなかった。その反省を生かして、教員が夏休みに探究をしてそれを児童に共有することで探究のイメージを児童に持たせたり、夏休み明けに複数の場所から児童が自分で選択するワークショップを実施したりすることによって、探究のタネを見つける。
授業公開の後に体育館で行われる研究協議会は、児童主体の学びを目指している教員が参加し、ジグソー法による参加型での開催となる。当日のプログラム(暫定版)は以下の通り。
- 〜15時15分:フォーム記入、研究に関する質疑応答
- 15時15分〜15時30分:東金町小学校における研究のあゆみ
- 15時30分〜15時50分:ジグソー法で協議会(1) 習得・活用・プロジェクト・探究
- 15時50分〜16時20分:ジグソー法で協議会(2) 習得・活用・プロジェクト・探究
- 16時20分〜16時35分:東京学芸大学の北澤武教授による講演
- 〜16時50分:クロージング(事後アンケート)
研究協議会では、ジグソー法を活用して「習得」「活用」「プロジェクト」「探究」それぞれの学びを手分けして主体的に学び、それらを共有するために教え合い・学び合う。
参加申し込み受け付け期間は9月9日10時〜10月11日。参加人数は100名限定で、定員に達し次第締め切りとなる。当日(10月22日)は、13時に受け付けが開始され、公開授業は13時30分からとなる。
ほかにも葛飾区立東金町小学校では、大学の春休み期間である2025年2月26日10時〜16時30分に、学生向けの学校公開「オープンデイ」を開催する。参加費は無料で、9月9日10時〜2025年2月14日の期間に参加申し込みを受け付けている。「子どもたちが楽しんでいる姿」「ICTを活用した教育を受けている子どもたちの姿」「楽しんで指導している教師の姿」などを見てもらえるよう、参加学生も楽しめるような授業・学校公開を予定している。
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