神奈川大学は2026年4月、経済学部において「経済データ分析学科」を開設(設置構想中)し、人間科学部は「探究学修」を軸にした新しいカリキュラムを導入することで、「探究の人科(じんか)」として新たな学びを展開することを、7月30日に発表した。
新たに開設される経済学部の「経済データ分析学科」では、単なる数字を意味あるデータとして解釈するために不可欠な、経済史、経済制度、経済の論理、プログラミングといった知識を網羅的に学ぶことによって、データを駆使して国や自治体の政策に生かしたり、ビジネスを成功へと導いたりする力を養う。
「経済データ分析学科」の特徴として、国・自治体のデータを分析して政策に生かす「政策分析コース」と、経済データから社会を分析してビジネスに生かす「市場分析コース」の、2つのコースが用意される。入学定員80人をさらに細分化して、基礎理論や分析実践の授業は15~25人程度の反転授業を実施し、ディスカッションやアクティブラーニングで学びを深める。経済専修英語などで国際的感性を磨くほか、日本語によるリーディング・ライティングにも目を向けて、ビジネス・政策立案に欠かせない正確な読解力や文章表現力、伝達力を身につけることを目指す。
おもな授業としては「経済データ分析入門」「政策分析実践、市場分析実践」を予定する。市場や経済政策に関する深い理解に基づき、変化の激しい現代経済におけるさまざまな問題を解決できる能力を伸ばせるようにするほか、理論とデータに基づいて論理的に思考し、多様な経済的問題に対して実践的に対応可能な人材を養成していく。
さらに「経済データ分析学科」では、授業を通じてデータ分析力、論理的思考力、問題解決力、課題発見力、グローバル視点といったスキルを身につけていく。銀行、証券会社、保険会社をはじめとする金融機関、公務員、シンクタンクなどのエコノミストといった職業を目指せる。
また、証券アナリスト、公認会計士、税理士、中小企業診断士、ITパスポート、不動産鑑定士、統計検定(1~4級、統計調査士、データサイエンス)、基本情報技術者などの取得が可能になる。
あわせて人間科学部では、2026年4月から「探究の人科」として新たな学びを展開する。これまでの教育をより豊かなものに発展させるため、フィールドワークやプレゼンテーションといった少人数のグループで複数名の教員が指導していくProject-Based Learning(課題探究型学修)を実施。「ウェルビーイングとヘルシー」の向上を目指して、社会に貢献できる実践力のある人材を養成していく。
「探究の人科」により修得できるスキルとしては、自他の健康を創造する力、多様な他者と関わり協働する力、主体的に社会に参画し発信する力、多様な専門性をつなげて創造的に思考する力、自分の考えや思いを構造だてて伝える力、データを分析して対象を省察する力、問題を発見して解決に向けて考え抜く力などを挙げている。
なお取得可能な資格・免許状としては、以下を想定している。
- 所定の単位修得で得られる資格:中学校教諭一種免許状(社会・保健体育)、高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民・保健体育)、社会調査士、認定心理士、GIS学術士、社会教育主事、社会教育士、学芸員
- 所定の単位修得または卒業によって受験資格が得られる資格:公認心理師(実務経験等が必要)、JATI認定トレーニング指導者
- 在学中の学修と結びつきが強い資格:各種スポーツ指導者、カラーコーディネーター、色彩検定
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