自分に合った支援制度がわかるサービスを運営するCivichatが提供する非営利組織「Civichat.org」が、貧困問題を事前に防ぐプログラムを大学の授業にて実施した。
日本において貧困問題が深刻化する中、支援制度は複雑でわかりにくく、自分が支援の対象外だと思っている支援対象者が多いと言われている。15歳~34歳の労働人口の26%(4人に1人)が非正規雇用・完全失業・無業者のいずれかに属しているほか、学生でありながら家族の世話をせざるを得ない「ヤングケアラー」なども問題視されており、若者を取り巻く貧困問題は大変深刻である。
このような状況を踏まえ、「Civichat.org」は市民有志と「防窮訓練」という教育プログラムを開発。これは、貧困に陥るときの備えをしないまま社会保障制度の充実を議論することが”予防なき治療”となりかねないことを危惧したプログラムで、初めて本格的に実施された。「Civichat.org」では、選択格差を是正するための施策として、公共制度とのマッチングの最適化により貧困問題の解決に向けた取り組みを進めており、今回の取り組みはその一環となる。
大学における12月20日の授業の際、受講者64名に対して「防窮訓練」を実施。訓練では、LINEなどからチャットボット形式で自分の状況を入力することで利用できる制度を推薦してくれる「Civichat」という支援制度案内システムを活用した。「Civichat」により、受講者は制度すべてを理解し記憶する必要がない。また、友だち登録を解除せずに「お守り」のようにしておけば、いざ困窮したときにすぐに公的支援制度を検索できる。
「防窮訓練」前後での、知っている公支援制度数や貧困・制度に対する認識の変化を
対応のあるt検定において、いずれも5%水準で有意な改善が見られた(N=64、有効回答率 92.8%)
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