ハードルがぐっと下がったオンラインでの交流
GIGAスクール構想で、児童生徒に1人1台の端末が整備されたことにより、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなどのオンライン会議サービスを使った、校外との交流が実施しやすくなりました。
昨年度は、同じ中学校区の小学校の同学年児童と、交流学習前の顔合わせをオンラインで実施。イギリス在住のデザイナーをオンラインゲストティーチャーとして迎えての授業も行いました。テクノロジーで距離の壁を越えて、日本だけでなく、世界中とつながる授業を簡単に実施できる喜びを味わっています。
立ちはだかる「時間の壁」と「言語の壁」
しかし、なかなか越えられないものが時間の壁です。外国とオンライン授業、オンライン交流を行う場合は時差の関係で実施できる国が限られてきます。経度が近い国同士であればそれほど苦労しないのですが、時差が大きい場合は調整が大変です。
イギリスとのオンライン授業では、時差の関係で相手には夜の遅い時刻に授業に参加していただきました。こちらは、通常の1時間目開始時刻よりも、かなり早い時刻にスタート。貴重な体験でしたが、少々無理のあるオンライン授業でした。
国内との交流でも時間の問題が発生します。 時差はありませんが学校によって日課表が違うため、交流する際の時間調整が必要となります。給食の開始時刻は動かせない場合が多いので、一方の学校の日課表に合わせると、他方は中途半端な時間設定になりがちです。
海外との交流を進める際に時間の壁以上に問題になるのは言葉の壁です。英語を学び始めて間もない小学生が、いきなりネイティブスピーカーの子どもたちと、オンライン会議サービスを使ってリアルタイム交流を行うことはハードルが高過ぎるのです。
せっかくオンラインでつながっても、ネイティブスピーカーから発せられる、英語のシャワーを超えた英語の濁流に飲み込まれて、何も言えずオロオロしてしまい、時間だけを消費してしまうこともありました。これでは、ますます英語に対する苦手感と不安感を増大させてしまいます。
Flipgridで壁を越える!
Flipgridを使った交流では、時間の壁も言葉の壁も、比較的容易に越えることができます。Flipgridでは非同期でやり取りが行われるので、相手との時間調整は不要です。それぞれが都合のいい時間帯にトピックにアクセスして、動画を投稿し合うことでオンラインの交流ができます。
非同期での交流であるため、英語が堪能でない場合でも、事前に十分な準備・練習をしてから動画を撮影することができます。カンニングペーパーを用意して英語を話すことも可能です。英語学習として考えるとカンニングペーパーの使用は間違っているのかもしれませんが、交流を楽しむことをメインとすると、まずは相手とつながって交流することが優先です。外国の友だちができて交流が楽しくなってから、それを外国語を学ぶ意欲づけにすればいいのです。