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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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イベントレポート(STEAM教育)

対戦相手とも協力? チームでの問題解決力を育むSTEM教材「VEX ロボティクス」――国際競技大会レポート

 「VEX(ヴェックス) ロボティクス」は、ロボット製作やプログラミングのスキルだけでなく、主体的に問題を解決する力をはぐくむためのカリキュラムやソフトウェアが1つになった、米国発のSTEM教材。ワークショップや競技大会が世界各地で開催されており、60か国から約2万5000人の学生(小学生~大学生まで)が参加。その国際大会の1つ「iREX Cup」が、12月21日に東京ビッグサイトで行われ、日本に加えアメリカと中国からもチームが参戦、計41チームが参加した。当日ランダムに指定された他チームと協力する競技も含まれるなど、ロボットのスキルだけでなくチームワークやプロジェクト遂行力も問われる本競技大会は、どのような様相を見せたのだろうか。当日の様子をレポートする。

他者との協力や、エンジニアリング・プロセスも評価の対象

 VEXの教材と競技大会は、年齢によって内容が分かれている。今回取材した大会では、小中学生向けの「VEX IQチャレンジ(以下VIQC) 」と中高生向けの「VEX ロボティクス・コンペティション(以下VRC)」の2つが同時に行われた。

試合会場は隣り合っていて、待機場所も一緒
試合会場は隣り合っていて、待機場所も一緒

 VIQCでは、スナップ・オン式のロボットを用い、他チームと協力する「チームワーク・チャレンジ」、ドライビングとプログラミングでロボットの性能を競う「スキルスチャレンジ」がメインとなる。一方、VRCでは「VEX V5」という、より高度なモデルのロボットを使って、他チームと協力し他の合同チームとポイントを奪い合う「アライアンスマッチ」と、「スキルスチャレンジ」で点数を競う。

 VIQCもVRCも、ランダムに他のチーム(時には他国のチーム)と組み、その場で会話し作戦を立てて試合に挑むのが、一般的なロボコンとしては珍しい特徴だ。

 加えて、ロボットの設計・検証の過程をまとめたノートに対する評価、各チームへのインタビューによるチームワークの評価も重要になってくる。ロボットの性能だけではなく、どのようにプロジェクトを達成したかの過程や姿勢も評価されるということだ。

大会に向けた試行錯誤の過程が書かれた、エンジニアリング・ノートブックを試合前に提出する
大会に向けた試行錯誤の過程が書かれた、エンジニアリング・ノートブックを試合前に提出する

 毎年4月開催の、世界の頂点を決める「ワールド・チャンピオンシップ」でも、各国の代表チームがロボットの性能だけでなく、テーマに沿ったプロジェクト実行の力や、チームワークなどのソーシャルスキルが評価される。

「大人は入れない」フィールド

 試合のフィールドは4つあり、陸上競技大会のように同時に各フィールドで予選が進んでいく。VIQCのチームワーク・チャレンジ、スキルスチャレンジのフィールドと、VRCのアライアンスマッチ、スキルスチャレンジのフィールドの4つだ。加えてVIQCとVRCにそれぞれに1つずつ、練習フィールドが用意されていた。

 計6つのフィールドと、チームの待機場所には、指導者や保護者は入ることができない。

待機場所でも、ロボットの調整などを子どもたちだけで行っている
待機場所でも、ロボットの調整などを子どもたちだけで行っている

 保護者や先生は、観客として外から声援を送り、盛り上げる様子が印象的だった。

チームの作戦力が光る「スキルスチャレンジ」

 試合が始まると、4つのフィールドでそれぞれに白熱した戦いが繰り広げられた。

 VIQCもVRCも、それぞれのスキルスチャレンジでは、「ドライビング」と「プログラミング」の2種目を3回行い、ぞれぞれの最高得点の合計点を競う。フィールドにあるオブジェクトを得点エリアに置くことで点数が加算される。

 VIQCの方では、コントローラーでロボットを操作する「ドライビング」は制限時間60秒間。「プログラミング」では、コントローラーを使わず、プログラミング制御のみで得点を獲得する。こちらも制限時間は60秒間。

VEX IQのスキルスチャレンジでは、ドライバーを必ず途中で交代する。また、プログラミングは何度スタート位置からやり直してもOK
VEX IQのスキルスチャレンジでは、ドライバーを必ず途中で交代する。
また、プログラミングは何度スタート位置からやり直してもOK

 優勝は、ハワイのSacred Hearts AcademyのLancer Roboticsチームが勝ち取った。

 一方VRCの方のスキルスチャレンジは、より複雑な配点となっている。キューブを高さのあるタワーに置くことで1点獲得できる。さらにコーナーの得点エリアに積み上げられたキューブの数でも得点を稼ぐことができるが、タワーに同じ色のキューブを入れた場合、そのキューブは2点となる。

練習フィールドで念入りに動作をチェック
練習フィールドで念入りに動作をチェック

 どの色のキューブを積むか、作戦はチームごとに少しずつ異なるわけだ。VRCのスキルスチャレンジの優勝は、アメリカ カリフォルニアから参加したDublin Robotics ClubのDublin Robotics Chargersチームが勝ち取った。

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得意を生かして高得点を目指す「チームワーク・チャレンジ」

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この記事の著者

岡田 果子(編集部)(オカダカコ)

2017年7月よりEdTechZine編集部所属。慶応義塾大学文学部英米文学専攻卒。前職は書籍編集で、趣味・実用書を中心にスポーツや医療関連の書籍を多く担当した。最近は英語学習のアプリやオンライン講座に興味がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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