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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

多くの学校や先生が見落としがち! 1人1台端末の活用スタートで気をつけたいポイントとは?

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第4回


 GIGAスクール構想で導入された1人1台端末は、学校の授業や校務のあり方を変える大きな可能性を持っており、子どもたちのポテンシャルを引き出すツールにもなり得ます。本連載では小学校の学級担任である筆者が「日常的にICTを活用した学級経営のあり方」について、担任としての心得を事例と共に紹介していきます。第4回のテーマは「端末活用のスタートで気をつけたいポイント」です。パスワードの決め方や「Google Classroom」の初期設定について解説します。

端末活用はスタートが重要!

 いよいよ、本校でも子どもたちに端末を配付するときが来た。ピカピカのChromebookが今か今かと活用を待っている。市教委から子どもたち一人ひとりのIDが付与されると同時に、同意書も配られた。すべての同意書を集め終わり、いよいよ活用のスタートが訪れる。

一郎
……とすんなりいくと思ってたでしょ?
……はい。ほかの先生にいきなり言われました。「段ボールがじゃまなんだけど。先に中だけ出していい?」って
一郎
われわれ教員側からすると、出してから渡したほうが圧倒的に時間の短縮になるのはその通り。でも、よく考えてみて。「開封の儀」って言葉があるくらい、箱から出すタイミングが一番ワクワクするってことを
わかります。だからわざわざ市教委もラベルを貼った端末を再包装してくれたんだと思っています
一郎
うん。スゴくステキな対応だよね。その気持ちをちゃんと先生方に伝えてみようよ。さらに言えば「端末との出会い方によって、その後の端末を大事に使うかどうかが決まる」ということも伝えよう
どういうことですか?
一郎
端末の包装を開封すること、そして自分の手でIDとパスワードを打って設定すること、これらは端末を自分だけのものとして扱う準備をする、愛着がわく活動だよね。この過程を踏んでいるからこそ、子どもたちは貸与された端末を自分だけのものとして認識するし、大事に使おうともする。クリスマスの朝に起きて、サンタクロースからのプレゼントのゲーム機で親が遊んでいたら子どもは興ざめするでしょ?
まぁさすがにそれをする親はいないと思いますけど、その極端な例でわかりました
一郎
よかった。さて、あらかじめ準備しておくとよいものを伝えるね
はい
一郎
クラスに備えておきたいものが2つある。1つ目は予備の充電器。2つ目はモバイルバッテリーだよ
バッテリー切れに対しての救済措置を用意しておくということですね
一郎
そう。数パーセントの電池があるなら、休み時間に予備の充電器で充電するだけで45分は持つからいいんだけど、まったくのゼロの場合にはモバイルバッテリーを貸すのが得策だったんだ。これは、どちらかというと経験則での話だけどね
なるほど。「充電していないのが悪い!」と切り捨てないということですね
一郎
そうだね。先生の中には貸し出し用の三角定規やのりを余分に持っている人も少なくないよね。端末も同じように、それがないと授業が進まないのであれば、どうにか授業に参加できるように気を配っておく必要がある。端末自体を忘れたってなるとちょっとお手上げだけれども、充電ならどうにかフォローできる体制を作っておくのは悪くないと思うよ
確かに私も液体のりが複数本、机の中にあります
一郎
でも忘れちゃダメなのは、子どもたちに自分の端末への接し方のひとつとして、バッテリーの管理の必要性を説くこと。無条件にホイホイ貸すのではなく、次からどのような策をとるかを考えさせることで、徐々に必要なくなるのが理想だと思うな
確かに、バッテリーの残量に気を配っておくことは必要ですね
一郎
さて、開封の儀で大切なもうひとつのこと。それはパスワードの管理についてなんだ。「パスワードは誰にも教えてはいけません」というのは、以前(連載第3回)伝えたルールにも盛り込んでいるけれども、一部の自治体ではパスワードを統一していたり、類推しやすいものにしていたり、紙に書いて提出させていたりしている。どれもおすすめできないやり方なんだ
でも、パスワードを忘れたときに、パスワードがわかったほうがよいですよね? だから提出させているんだと思うんですが
一郎
パスワードがわからなくなったら、管理者がリセットして新しいパスワードを設定すればいい話だよ。どうしてもパスワードを書かせるのであれば、上から目隠しシールを貼るなどして、通常見えない状態での管理をしないと、「パスワードを他人に教えません」というルールと相反してしまうことになる。そのくらい、パスワードの管理は慎重であるべきだよ
確かに、パスワード管理の大切さをルールに入れているのに、パスワードを書かせるのは変な話ですね
一郎
そう。そして、パスワード関係でもうひとつ。次に紹介する解説を参考に、パスワードの作り方も教えておくことをおすすめするよ

次のページ
【解説】パスワードはどう決める?

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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