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直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育

【理科×プログラミング】1人1台端末を活用して、太陽の動きを表現しよう

直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育 第13回

 こんにちは。しくみデザインの中村俊介です。学校の先生や指導者の方に向けて、無料のビジュアルプログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を使ったプログラミング教育のアイデアやテーマを考える連載の13回目。今回はスプリンギンを使って、教科学習においての1人1台端末の活用にチャレンジします!

 本記事では、教育機関・教室・塾の指導者向けSTEAM・プログラミング授業支援サービス「Springin’ Classroom(スプリンギンクラスルーム)」を使用しています。

 また、今回の実践で使用したサンプルワークは、Springin’ Classroomから、こちらのQRを読み込むとダウンロード可能です。言葉や音声による学習履歴(スタディ・ログ)やプログラミングした太陽が動く様子がご覧いただけます。

Springin’ ClassroomのアプリでこちらのQRコードを読み取ってください
Springin’ ClassroomのアプリでこちらのQRコードを読み取ってください

各学校でのプログラミング教育の現状

 2020年度から小学校のプログラミング教育が必修化されプログラミング学習の注目度や認知度も高まってきています。しかし、何年生からどのようなことを学ぶのかといった具体的な内容は、学校内で明確に浸透していないというが現状ではないでしょうか。

 文部科学省は、プログラミングに関する学習活動の6分類を示しています。

参考:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」
参考:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)

 A分類「学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの」に関しては、算数科や理科で多くの学校が実践されているようです。また、C分類「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」に関しても、総合的な学習の時間でプログラミングの体験学習をしたといった話をよく聞きます。

 先生方が悩んでいるのはB分類「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの」ではないでしょうか。「1人1台の端末を有効活用したい」「いろいろな学習場面で取り入れたい」「プログラミングを学習ツールとして使いたい」そのような思いをしている方も少なくないと思います。

 今回も、現役の小学校の先生である杉田先生にお話を伺いました。今回紹介いただいたのは、理科での1人1台端末の活用。各教科の中での1人1台端末を活用したプログラミング。子どもたちがこれまでの学びを生かして、学習のまとめをどのようにプログラミングで表現するかがとても楽しみです。それでは、杉田先生、お願いします!

理科での1人1台端末を活用したプログラミング

 みなさんこんにちは、杉田です。小学校の教員ですが、現在、長期社会体験研修員として、しくみデザインで研修をしています。先日、ICT活用の研究をされている、ある学校にお邪魔して一緒に授業をしてきました。今回はそこでの実践の様子を紹介します。

 前回は、幼稚園でのスプリンギンを使った楽器づくりの実践を紹介しました。今回は、小学校3年生の理科「太陽と地面の様子」での実践です。影の様子を観察してわかった太陽の1日の動きを、スプリンギンを使って表現する活動です。理科での学びを確かにするためのプログラミングの活用を紹介します。最後まで、どうぞよろしくお願いします。

小学校3年生 理科「太陽と地面の様子」の学習

 今回は、小学校3年生の理科「太陽と地面の様子」の学習です。この単元は、天気にも左右され、1日に何度も観察や記録を行う必要があるため大変ですよね。でも、子どもたちにとってはとても意欲的に取り組むことができる学習のひとつなのではないでしょうか。今回の実践は、クラス担任の先生のサポートという立場で関わらせていただきました。

授業の様子
授業の様子

 まずは導入です。教科書にも紹介されている影ふみ遊びを通して、子どもたちは、影の向きがみんな同じことや、影の反対側に太陽があることに気づきました。影ふみ遊びをやっている最中、子どもたちは学習のことを考えてはいなかったでしょう。しかし、友だちがやっている様子を観察したり、写真を撮って教室で分析したりしながら、影と太陽の関係をしっかり調べることができました。

 次に、時間との関係についてです。建物の影などの大きさや向きがいつも同じではないという生活体験があるため、観察することを通して時間と影の関係についてスムーズに理解することができます。

影の観察をする子どもたち
影の観察をする子どもたち

 子どもたちは、時間とともに影が動くことや影の長さが変わることなどに気づくことができました。そして、観察から分かったことをノートに記録するだけではなく、スプリンギンで学習履歴(スタディ・ログ)を残していきます。スプリンギンでは、影の移ろいを写真に残したり、気づきを文字にして写真の説明として加えたり、観察や実験の考察を音声で記録して残したりすることができます。単元を通して複数のまとめのシートが出来上がります。さらに、いつでも簡単に振り返りの学習ができる点もスプリンギンのよいところです。

スプリンギンを使った影の観察記録(スタディ・ログ)
スプリンギンを使った影の観察記録(スタディ・ログ)

 ここからは太陽の動きについてです。影の様子を調べることで、太陽の動きを知ることができます。9時、10時、12時、14時の影の反対側に太陽があることから、太陽は東の方から南の空を通り、西の方へ動いていくことが分かりました。

スプリンギンを使った太陽の動きの考察(スタディ・ログ)
スプリンギンを使った太陽の動きの考察(スタディ・ログ)

 このように、1人1台端末をノートと鉛筆のように使うこともできます。色分けしながらまとめたり、音声で記録したり、絵や文字を動かして考えたりしながら、1人1台端末を活用して思考の整理を行えば、さらに多くの気づきがうまれるはずです。端末を見せながら友だちと交流することも、新しい交流のかたちかもしれません。

1人1台端末を見せながら交流する様子
1人1台端末を見せながら交流する様子

次のページ
まとめの学習「1日の太陽の動きを表現しよう」

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この記事の著者

中村 俊介(株式会社しくみデザイン 代表)(ナカムラ シュンスケ)

 株式会社しくみデザイン代表、クリエイティブ教育ラボ所長。  名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現九州大学)にて博士号(芸術工学)を取得。AR楽器アプリKAGURAをはじめ、参加型サイネージや、ライブコンサートのリアルタイム映像演出等、数々の日本初を手がけており、アメリカ、スペイン、中国...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


杉田 直育(スギタ ナオヤス)

 小学校教諭(指導教諭)。2021年4月から長期社会体験研修員として株式会社しくみデザインで勤務。Springin’を使ったプログラミング教育やSTEAM教育の普及活動を幼稚園や小学校を中心に実践中。「コンピューターと仲良しになる」これをスローガンに日々精進。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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