SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

次回のオンラインセミナーは鋭意企画中です。準備が整い次第、お知らせいたします。

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナー

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校)

オンライン朝の会を始める前の留意点とは?【公立小学校での実践事例】

オンライン朝の会を実施する際の注意点・ポイント 前編


 私は埼玉県の公立小学校で教員を務めています。新型コロナウイルス感染症対策によって学校が休校する中、私の勤務校ではオンライン会議システムの「Zoom」を用いた朝の会を4月上旬から行ってきました。学校が再開されてからもオンラインで子どもたちと交流する機会はあるかと思います。そこで、オンラインで朝の会を行う際の留意点や、実際の様子を、2回にわたってお伝えします。前半となる本稿では、実施前に注意すべきポイントを解説します。

何のために実施するのか? 目的を明確にする

 Zoomを用いた朝の会を行うにあたって、目的を明確にしておくことは大切です。

 今回の休校措置により、学年末・学年の始まりという、とても大切な時期に子どもたちとのコミュニケーションを図ることができなくなってしまいました。また、学習においても遅れが生じるなど、解決したい課題は山積みになっています。

 そのように山積するさまざまな課題の中から、「先生と子ども、または子ども同士のコミュニケーションチャンネルを作ること」に焦点を当て、子どもたちとのコミュニケーションを図るため、どのようにZoomの朝の会を取り入れていけばいいのかについて、具体的な事例を含め解説をしていきます。

職員間の共通理解を持つ

 最初に行うことは、職員の共通理解を持つことです。休校措置に伴い、子どもたちとのコミュニケーションがとれずに一番困っていたのはそれぞれの担任ではないでしょうか。そこで、その悩みを共有し、30分だけでも子どもたちと話せる機会を持つことの意義について共通理解を図れば、実施に向かって一歩前進するでしょう。

 具体的な例として、朝の会を行うことにより、以下のような効果が期待できます。

  1. 健康観察を行うことができる。
  2. 生活リズムを整えることができる。
  3. 休校中の課題の確認や説明(質問を受け付けながら)ができる。
  4. 担任がどのような人なのか、子どもたちに知ってもらうことができる。
  5. 同じクラスの友だちについて、子どもたちに知ってもらうことができる。
  6. 子どもたち同士のコミュニケーションの量を増やすことができる。

 Zoomでの朝の会は、同じ時間・同じ場に集まることに特徴があります。ですから、リアルタイムでの交流でしか行えないことを中心にするといいでしょう。台本通りに話せばいいことについては朝の会で同期的に行うのではなく、別の手段で好きな時間に見てもらったほうがお互いにとっていいと思います。

 特に2.で挙げた「生活リズム」については、毎日決まった時間に行うことで効果が出てきます。子どもたちが参加したいと思うような朝の会を行うことができれば、自然とその会に参加するためのリズムが確立されてくるはずです。また、ビデオでこちらの表情を見せながら行うと、担任の顔を覚えてもらうこともできますし、先生がどういう人なのかについて子どもたちに理解してもらいやすくもなります。直接会って交流することには及ばないかもしれませんが、表情の豊かさやアドリブといった要素は、担任に対する理解を深めてくれるはずです。

 このように、Zoomによる朝の会にはさまざまなメリットが考えられます。このメリットを共有し、職員の共通理解を深めることができれば、はじめの一歩は成功と言えるでしょう。

 しかしながら、最初からやらないほうがいいこともあります。それは授業です。

 特にやることがない場合に、「授業っぽいことをしよう」としてしまいがちですが、授業は別の手段で行うほうがいいと思います。つまらない体験をしてしまうと、子どもたちは離脱しますし、次から来てくれません。

 オンラインによる開催の大きな特徴は、子どもたちの選択権が大いに尊重されていることにあります。嫌なら出ない。これも立派な選択です。ですから、「Zoomによる朝の会は楽しいものだ」という認識が子どもたちに育つまで、授業らしいことは避けたほうがいいと思います。楽しいものだという認識ができたら、少しずつ混ぜてもいいとは思いますが、先ほども述べたように、別の手段で授業が行えるのであれば、場を切り替える意味でもZoomは楽しい朝の会のツールとして用いたほうがいいでしょう。

次のページ
端末・環境の確認

この記事は参考になりましたか?

教育現場でのICT活用事例紹介(小学校) 連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


この記事をシェア

EdTechZine(エドテックジン)
https://edtechzine.jp/article/detail/3841 2020/05/29 12:24

おすすめ

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング

イベント

EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

記事アクセスランキング

記事アクセスランキング