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袋井市と凸版印刷、幼稚園・保育園などでのICT利活用に関する実証実験で非認知能力育成と保育の質向上を確認

 静岡県袋井市と凸版印刷は、袋井市内の幼稚園・保育園などで実施していた、年長児を対象にした幼稚園・保育園などにおけるICT利活用を推進する実証実験を、2021年度も継続するとともに、10月からは対象を拡大して2022年3月まで実施することを、10月28日に発表した。

実証実験のねらい
実証実験のねらい

 同実証実験は、小学校入学に向けた「思考・表現の基礎となる力」や「学びに向かう力」の育成と、より質の高い保育を実践する保育者スキルの向上を目指して行われていたもの。今回の実験継続と対象拡大は、2020年度の実験において子どもの非認知能力の育成と、保育者のスキルアップなどの成果が得られたことを受けて決定されている。

 2020年度は、袋井市内の3園で実証実験が行われていたが、10月からは対象を市内の5園に拡大して継続する。

 2020年度の実験では、凸版印刷で開発を進めている、アプリを活用した数・量・図形の遊び活動プログラムを導入するとともに、凸版印刷とCedep(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター)が共同で開発している園活動記録アプリを活用して、数・量・図形の遊び活動とその効果の検証、子どもの非認知能力を効果的に引き出す活動記録の方法について検証を行っている。

 その結果、思考力や表現力など非認知能力の育ちがみられ、とりわけICT活用力、数への関心、自己効力感(自信)、内発的動機づけ(興味・関心、意欲)、協同性といった能力に関して、全園の平均値で有意な上昇がみられた。「かずの遊び」活動のグループ活動では、子ども同士の学び合いによって協力の機会が生まれ、自身のことを表現して相手に伝える姿がみられたほか、実験の実施後には日常保育内で活動に紐づく発言や遊びを広げていく姿がみられている。

 ほかにも、活動記録アプリの導入が、園児自身の主観を反映したデータ・客観性の高いデータ(園児が自発的に記録した動画、気持ちなど)の収集に寄与し、保育者が具体的な場面をもとに園児の今の心の動きや行動、日々見落とされがちな姿に気付くツールとしての可能性を把握できた。特に、個々の興味・関心の把握状況、興味・関心の対象に関する園児との対話の頻度、保育者間で共有する頻度において、全園の平均値で有意に上昇している。

 2021年度の実証実験では、タブレット端末と凸版印刷が開発した「かずの遊び」活動プログラムおよび「かずの遊び」アプリ、保育者マニュアルを試験導入し、保育者の援助のもと園児がタブレット・アプリを活用して、数・量・図形への興味関心を育む10種の遊びプログラムやグループ活動、発表活動に取り組む。

 同時に、遊びプログラムをきっかけとした日常保育における遊びの広がりについても、保育者による写真や動画、見取り記録で見える化や家庭への情報共有を行うことで、小学校入学に向けた土台形成の場でもある園活動を通じた、思考力・表現力・意欲の育成におけるICT活用の有効性と課題を検証する。

 さらに、「活動記録アプリ」を搭載したタブレット端末を園内のさまざまな場所に設置し、園児が日々作ったもの、見つけたこと、できるようになったことなどを動画やその時の気持ちの種別で主体的に記録して、記録内容を発表して友だちと共有する活動に取り組む。保育者は、園児たちの様子や心の動きを把握し、日々の活動を振り返ることが可能となるほか、園児の個に応じた育ちに必要なサポートを考えて実践することにつなげるための、効果的なフィードバックのあり方と活用方法、園児の主体性を引き出す記録ツールの導入方法についての検証を行う。

 実施期間は7月~2022年3月で、三川幼稚園、浅羽西幼稚園、笠原こども園、今井幼稚園、袋井西幼稚園の年長児95名を対象に行われる。

 袋井市と凸版印刷は、袋井市の幼稚園・保育園における学びへの継続的なICT利活用を目指して、実施内容の検討と実証規模の拡大を進めるとともに、同実証で得られた幼児期の体験や姿を小学校へ共有し、小学校教育でのICT利活用促進や個別最適化された学びの環境構築に活用するなど、子どもたちの成長を連続的にサポートするための継続的な実証活動や学ぶ環境の提供を進めていく。

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