「調べ方を自分で選択する」という意識付けができた
今回の活動で井戸氏が卒業制作に取り組んだのは、6年生ゆえの難しさも背景にあった。「6年生を担任するのは初めてでしたが、中学受験があったり、卒業を控えて学びのスイッチがオフになっていたりと、学級経営の面で難しさも感じていました。今回、下級生を対象にしたことで相手意識を持ち、子どもたちのモチベーションも高まりました。何より、後輩のためにガイドを作り上げるというゴールを迎えて卒業することができました」と、井戸氏は手ごたえを語る。
また、調べ方に対する子どもたちの意識も変わった。「今回の実践を通して、インターネットに対してもうひとつの調べ方、すなわちブリタニカ・スクールエディションのように正確な情報が載っているコンテンツがあることを知り、調べ方を自分たちで選択する意識付けができました」と振り返る。
また、これまでは紙かインターネットかの2択しかなかったが、ブリタニカ・スクールエディションが加わり3択になったことで、子どもたちの意見の幅が広がった点も大きな効果だという。
「ブリタニカ・スクールエディションは正確さでは本に似ていますが、デジタルならではの利便性はインターネットに似ています。この存在があったからこそ、インターネットと本のそれぞれのメリット・デメリットが際立ったと思います」(井戸氏)
「ブリタニカ・スクールエディション」で調べ学習の質を高める
井戸氏は本年度の担任である4年生でも、ブリタニカ・スクールエディションを活用した授業を計画している。
「総合的な学習の時間で『和歌山県の魅力を発信しよう』という授業を予定しています。まずは、ブリタニカ・スクールエディションを使い和歌山県の基本的なデータを調べた後、インターネットで名所やお店などの情報を参照します。ブリタニカに載っていないことはインターネットで検索しつつ、ブリタニカで正確な情報を調べるといった、質を高めた調べ学習を今後はしていきたいと思います」(井戸氏)
井戸氏はさらに「今回の取り組みは、ほかにも気づきがありました」と述べ、「その後の授業でもグループに分かれ、最後に1つのものを作り上げる方法を取り入れています」と紹介した。
低学年から使うことができ、情報の正確性というインターネットのデメリットを補うデジタル百科事典「ブリタニカ・スクールエディション」。活用することで調べ学習はレベルアップし、「個別最適な学び」や「創造性の発揮」にもつながっていく。1人1台端末によって児童生徒が使えるツールの選択肢も広がった現在、児童生徒に対して、こうした学びや興味関心を広げる環境作りがますます重要になっていくだろう。