ドローンの知識を学ぶのではなく、授業デザインを支援する場にしていきたい
次に、「DRONE STAR Academy」の講師の一人、MQ LABOの原田久美子氏がカリキュラムの内容と目指すところについて解説した。MQ LABOはサイエンス、ドローンなどの未来を考える学びの場として活動を行っている。
慶応義塾大学SFC研究所 ドローン社会共創コンソーシアムに研究員として参加し、そこから現在のMQ LABOの活動をスタートした原田氏。「DRONE STAR Academy」では、「ドローンプログラミングから未来を共創する授業」を担当する。カリキュラムのコンセプトは以下の通りだ。
このアカデミーは、「プログラミングができるようになることがゴールではない」と原田氏。「受講者のみなさんがドローンプログラミングというツールを使って、どう未来をデザインしていくかを学ぶ場だと思っています」と目指すところを説明した。また一方で、「2020年のプログラミング必修化に向けて、プログラミング教材はたくさん出ているが、どう使いこなすのか、スキルの差が出てくる。授業デザインを考え、共有できる場になれば」とも話した。
ドローンプログラミングの体験
最後に、「DRONE STARプログラミング」を使ってドローンプログラミングを体験することができた。
アプリには、コントローラーで操縦するモードと、ブロックプログラミングで命令を作って実行するプログラミングモードがある。プログラミングモードでは、自分で目標設定して自由に動きを決めるフリーミッションと、動物の動きを表現するミッションが選べる。
今回、「上昇」と「前進」のブロックを使って、それぞれの動きの距離(cm)を決めて実行した。
飛行中は端末でドローンを撮影できるとともに、ドローンのカメラでも撮影されている。着陸後は、2つの動画を見て修正ができる。
教育現場では、ドローンに驚き惹き付けられる生徒児童は多いものの、その魅力をどう授業に生かすか悩んでいることが多いという。下手をすると、ドローンを飛ばして終わり、ということにもなりかねない。そうではなく、「プログラミングによって論理的思考を養えるよう、アプリを設計している」と坂本弘樹氏は説明した。
また、既存科目にプログラミングを組み込む、という新指導要領の方針に合わせたアイデアについても検討している。動物の動きを表現するミッションでは、例えばくらげが出現してから着地するまでの動きを実際にプログラミングで再現することで、国語の表現を考えるという。ただし、実際に科目内での使い勝手がいいのかどうか、「DRONE STAR Academy」の中で実証実験し改善していく予定だ。