ORSO(オルソ)は、ドローンプログラミングの講師を養成する「DRONE STAR Academy」を4月に開講することを発表、2月21日より申し込み受付を開始した。これは、教員やプログラミングスクール講師などのプログラミングを教える(教えたい)立場の方を対象とした、ドローンを用いたプログラミング教育を学べる講座だ。開講にあたっての記者発表会では、「DRONE STAR Academy」の背景や講義内容の説明がなされた。また、実際に教材として使用する「DRONE STARプログラミング」とドローンに触れる体験会も実施された。
プログラミング教育にスタンダードが存在しない課題を解決したかった
まずORSO代表取締役社長CEOの坂本義親氏が、「DRONE STAR Academy」開講の趣旨やコンセプトを話した。
ORSOは2015年から、産学・地域連携活動として、JUIDA(日本UAS産業振興協議会)の「ロボティクスアカデミー」で100人の生徒を育てるなどの取り組みを行ってきた。そこから、SFC社会研究所ドローン社会共創コンソーシアムとの協業や、現在では東大ドローンプロジェクトにおいて、ドローン×ビジネスイノベーションというテーマで参画している。
2017年4月には操縦技能をスコア化するアプリ、「DRONE STARアプリ」を発表したのち、2018年4月に「DRONE STARプログラミング」をリリース。「DRONE STARプログラミング」は、「先生とともに現場で研究し、生徒の創造性を育む」サイクルを重視して開発。先行導入という形で、10社ほどの企業と協力、実証実験などを経て現在に至る。
もともとはアプリ開発の会社であるORSOだが、そういった実証実験の中で教育現場の声を聴くうちに、プログラミング教育について手探りの状態である「課題」に気づいたという。
「(ドローンプログラミングの教育に)標準的な実施方法、安全管理、授業の目的といったスタンダードが存在しない状態を課題ととらえました。そしてその課題を解決したく、『DRONE STAR Academy』を開講する運びとなりました」(坂本義親氏)
そんな「DRONE STAR Academy」が目指すコンセプトとして挙げたのは、以下の通りだ。
ORSOが教育に関わり始めたのはここ数年。たたき台を作ることで、フィードバックを得て、みなさんでプログラミング教育のノウハウを作っていきたい姿勢を強調した。
標準的なドローンプログラミング授業方法、ドローン航空法の知識などを2日間で学ぶ。「多くの人に来ていただきたいという思いで、なるべくコンパクトにまとめた」と話した。
講座内容や受講の条件は?
続いて、2月21日から受講申し込み開始となった「DRONE STAR Academy」講座概要について、ORSO 執行役員 ドローン事業推進部 部長、DRONE STAR Academy事務局長の坂本弘樹氏より説明がなされた。
開催日、会場、受講料等の詳細は以下の通り。
第1回開催日 | 4月3日(水)、 4日(木)の2日間 ※各日11:00~18:00 |
第2回開催日 | 4月17日(水)、 18日(木)の2日間 ※各日11:00~18:00 |
会場 |
株式会社ORSO 1F「DRONE STAR ラウンジ」 東京都千代田区内神田2-4-6 WTC内神田ビル |
定員 | 各開催20名 |
受講料 | 180,000円(税別) ※下記の教材費を含む。 |
教材 |
※iPhone等のiOSデバイスを受講者自身で用意する必要がある。 |
講座内容 |
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対象 | 教職員、 プログラミングスクール運営者、 ドローンスクール運営者など |
受講申し込み受付サイトはこちら。
坂本弘樹氏は、「本講座は、プログラミング教育の発展をみなさまと“共創”することを目指しています。受講対象となるのは以上のような子どもにプログラミングを教える接点のある方」と説明。受講対象者のレベル感については教える立場、意欲のある方であればレベル感は問わないという。
また、「DRONE STAR Academy」の特長として、3つのポイントを挙げた。
- 実践的なカリキュラム
- 受講者によるドローンプログラミング講座の開講支援
- DRONE STAR Academy コミュニティの設立
これらの特長について、坂本弘樹氏は「座学だけではなく実際のプログラミング教育の模擬授業を体験していただく、実践的な講座になっています。受講時のみのお付き合いではなく、セミナーやイベントの情報をお送りし、教育現場に立つ方々の意見交換の場を設けたいと考えてます」と説明した。
さらに、ORSOが開発している使用教材「DRONE STARプログラミング」の特長についても触れ、「ブロックプログラミングで命令を作ることで、簡単にドローンプログラミングの成功体験を得ることができる」と話した。また、プログラム実行中はドローンが飛行している様子を動画で撮影。後から振り返ることで修正点を見つけ、子どもたちが自発的にPDCAを回していけるという。
また、教育現場からのフィードバックをもとに、今回の開講に合わせて開発中の新機能が発表された。以下の2点だ。
- 順次、分岐、反復モード
- 編隊飛行モード
1つ目の「順次、分岐、反復モード」は、プログラミング教育必修化に向けてより深掘りした学習ができるように、現在の順次のみのモードに「分岐」「反復」を追加したもの。2つ目の「編隊飛行モード」は、複数台のドローンを同期することで、相互の状態を認識し処理できる。こちらはプログラミング教育用ドローン「Tello EDU」限定の機能となる。
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