ネットワンシステムズは、同志社大学の安全で快適なリモートワーク環境を整備すべく、ゼロトラストネットワークを活用したネットワークシステムを導入したことを、5月12日に発表した。今回の導入にあたって、システム全体の最適化を図るために、基本設計をNTT西日本、詳細設計と構築をネットワンシステムズが担当しており、2022年10月に同システムの稼働を開始している。
同志社大学では、新型コロナウイルス感染症の影響で、学生はオンライン授業を受講し、教職員はリモートワークを行うなど、誰もがいつでもどこでも「自由」に学習や業務を行うことが可能なICT環境の整備に取り組んできた。次期全学ネットワークでは、学内・学外を問わずさまざまな場所で学生や教職員が教育研究活動や業務を行うことができるよう、端末環境の統合など機器構成や運用を抜本的に見直し、安全性と利便性を両立する新たなネットワーク環境が求められていたことから、今回のゼロトラストネットワークを活用したネットワークシステムの導入に至っている。
同志社大学に導入されたゼロトラストネットワークを活用したネットワークシステム環境は、多要素認証が可能な「Cisco Secure Access by Duo」やインターネットのアクセスを制御する「Cisco Umbrella」などを活用して、学生および教職員のICT環境を支える機能が実装された。
所有者認証や生体認証によるセキュリティ強化と利便性の向上としては、さまざまな利用者向けWebシステムや、サーバメンテナンスの入口へログインする際に、「Cisco Secure Access by Duo」を利用したスマートフォンやスマートウォッチへのプッシュ通知による所有者認証・生体認証を導入している。約2万8000人の学生と、約3300人の教職員のセキュリティ強化と利便性の向上を実現した。
さらに、危険サイトや利用禁止サイトなどへのアクセスを制御して、インターネット上の脅威からユーザーを保護する「Cisco Umbrella」を導入することで、学内、学外からの利用場所を問わず、あらゆるインターネットアクセスを保護し、高度なセキュリティを確保している。また、クラウドアプリケーション制御機能によってユーザーの利用状況を可視化し、ユーザーが勝手に使用するリスクの高いアプリケーションを個別にブロックするなど、柔軟性の高いインターネットアクセスを実現した。
そのほか、マイクロセグメンテーションと通信を動的に制御できる「Cisco Secure Workload」を国内の教育機関としてははじめて導入。従来の境界型セキュリティだけでなくサービスごとに必要な通信の可視化、マイクロセグメンテーション化を実施して、システムが乗っ取られてしまった後のラテラルムーブメント対策を実施している。また、サーバの脆弱性情報を定期的に診断し、脆弱性を持つサーバとは通信をさせないなど、システムの健全性を強化した。
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