エイトレッドは、大学において教務・事務のデジタル化(校務DX)を担当する管理職・事務職員を対象に実施した、大学の校務DXに関する実態調査の結果を6月24日に発表した。同調査は、5月27日〜6月2日の期間に行われ、103名から有効回答を得ている。
調査対象者に、自身の勤務する大学における校務DX推進の進捗状況を尋ねたところ、「レベル5:デジタル技術を活用して事業成長を実現し、市場での優位性を確立している」が19.4%、「レベル4:組織文化・風土を変革し、競争力を高められている」が29.1%、「レベル3:計画的なDX戦略のもと、組織的な取り組みやデータ活用を進めている」が28.2%となった。

校務DX推進において、特に重視しているポイントを尋ねた質問(複数回答)では、「情報セキュリティを強固に保てる」(50.5%)がもっとも多く、以下「ペーパーレス化が実現できる」(45.6%)、「データを分析して意思決定に活用できる」(41.7%)が続いている。

現在の校務における、紙文書の使用状況はどの程度かを尋ねたところ、「ほとんどの業務で紙文書を使用している」が10.7%、「主要な業務は紙文書中心」が22.3%、「紙文書とデジタル文書が半々程度」が37.9%だった。

紙文書の電子化・ペーパーレス化において、もっとも優先的に取り組みたい業務領域を尋ねた質問では、「会議資料の作成・共有」(22.4%)が最多となり、以下「カリキュラム・シラバス管理」(20.4%)、「学生の成績管理」(15.5%)が続いている。

紙文書の電子化・ペーパーレス化でもっとも優先的に取り組みたい業務領域について、「特にない」「わからない/答えられない」以外の回答をした人(98名)に、ペーパーレス化を進める上での課題を尋ねたところ(複数回答)、「個人情報を含む電子データの安全管理」(40.8%)、「大量の紙資料を電子化する手間とコスト」(33.7%)が上位を占めた。

同じく、紙文書の電子化・ペーパーレス化でもっとも優先的に取り組みたい業務領域について、「特にない」「わからない/答えられない」以外の回答をした人に、ペーパーレス化を進める上での課題を自由に答えてもらったところ、「紙文化に慣れ親しんでいる職員の意識改革」「作業を進める上での、担当者を人的に割く余裕がないこと」といった回答が寄せられている。
自身の勤務する大学における校務DX推進の進捗状況を「レベル2」〜「レベル5」と答えた人(97名)に、自身の勤務する大学では稟議書や申請書などの申請承認業務はどのように行われているかを尋ねた質問では、「メール添付で承認を得ている」と「専用のワークフローシステムを導入している」が、どちらも25.8%で最多となった。

自身の勤務する大学における校務DX推進の進捗状況を「レベル2」〜「レベル5」と答えた人のうち、自身の勤務する大学における申請承認業務について、「わからない/答えられない」以外を回答した人(96名)に、現在の承認フローにおける課題を尋ねたところ(複数回答)、「承認ルートに関わる人数が多く、フローが複雑」(39.6%)が最多となった。以下「承認状況の可視化ができない」(35.4%)、「承認者が不在の際に決裁が滞る」(34.4%)が続いている。

自身の勤務する大学における校務DX推進の進捗状況を「レベル2」〜「レベル5」と答えた人(97名)に、校務で使用しているシステム間の連携状況を尋ねた質問では、「主要なシステム間では連携が進んでいるが、一部連携されていないシステムもある」という回答が51.5%を占めた。

すべての調査対象者に、今後の校務DX推進において校務支援システムに期待することを尋ねたところ(複数回答)、「既存システムとの連携のしやすさ」(43.7%)がもっとも多かった。以下、「使い慣れた紙のイメージのまま電子化できるサービス」(41.7%)、「セキュリティが確保されたクラウド環境の提供」(35.9%)が続いている。

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