東京書籍は、文部科学省が実施する「令和6年度 小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業(AIの活用による英語教育強化事業)」において、実証実施団体として採択されたことを6月20日に発表した。
同事業は、急速な進化を遂げる生成AIを活用することで、生徒の「話すこと」や「書くこと」の活動を質・量ともに充実させ、学ぶ意欲を高めることによって英語教育を抜本的に強化することを目的としている。英語を使う機会の少なさや、学習の動機づけの弱さといった長年の課題に対して、AIの活用で新たな教育モデルを構築し、その実践を通じて知見を蓄積し、さらなる普及を目指す。実施は、2025年5月〜2026年1月の期間を予定している。
同事業において東京書籍では、生成AIを活用した対話型学習サービス「教科書AIワカル」を、全国10校のモデル校に提供して、授業や家庭学習での活用方法や教育効果の実証研究を進めていく。
「教科書AIワカル」は、令和7年度版中学校英語教科書『NEW HORIZON』に完全準拠し、生徒はAIとの自然な対話や英語会話シミュレーションを通じて、発話力・表現力を主体的に高められる。チャット形式のインターフェースや音声読み上げ機能、実生活を想定した会話演習機能などを通じて、生徒一人ひとりのペースに合わせた学習を可能にする。
なお、東京書籍は同事業への参画を通じて、教科書という共通の学習基盤に基づく生成AI活用モデルを構築し、モデル校10校での実践事例やデータをもとに導入支援のあり方や授業モデルの確立を目指す。立命館大学やインパクトラボと連携して、学校現場に根ざした変革を推進し、全国規模での英語教育の質的向上に貢献していく。

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