Institution for a Global Society(IGS)は、教育機関に向けて提供している、児童生徒の非認知能力を可視化する測定ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」に、スクール・ポリシーと連動した生徒のグルーピング機能を新たに実装したことを、6月13日に発表した。
今回の機能拡張実施の背景のひとつには、高等学校における「スクール・ポリシー(教育活動の基本方針)」の策定・公表がある。スクール・ポリシーは、各校が育てたいと考える生徒の資質・能力や、その育成のための教育方針を明示する重要な指針であり、文部科学省によって義務化されている。
また2025年度からは高等学校等就学支援金制度の所得制限が撤廃され、公立・私立間の学費面での格差が縮小。生徒が学校の特色や教育内容に基づいて「自分に合った学校を選ぶ時代」が始まる状況で、学校はスクール・ポリシーの効果的な運用とその効果の可視化を進め、自校の教育内容の独自性と効果の高さを社会に発信するエビデンスと広報力が一層重要となっている。
「Ai GROW」では、これまでも学校が掲げるスクール・ポリシーとその育成に対して、児童生徒のコンピテンシー(行動特性)を測定し、定量的かつ継続的に把握できる機能を提供していた。この機能により、学校は各教育活動の効果を負担なく客観的に確認・分析できる。

さらなる支援として実施された今回の機能拡張では、これらの評価データを活用して、スクール・ポリシーの育成目標に即した最適な児童生徒のグループを、自動で提案する機能を実装した。「総合的な学習(探究)の時間」や教科指導、学校行事などにおいて、スクール・ポリシーの達成をより意識したチーム分け・グループワークなどが可能になる。指導と評価の一体化を実現するとともに、児童生徒自身が成長を実感できる教育環境づくりにもつなげられる。


学校にとっては、自校の教育目標とその実現に向けた各教育活動の効果を、学校内外に一貫して示せるようになる。これにより、広報活動や生徒募集におけるデータ活用の推進と、入学希望者とその保護者の進路選択・学校選びの納得度を高める効果も見込まれる。
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