中央大学は、次世代を拓く「行動する知性」を備え、Society 5.0の時代に活躍できる知性と行動力を備えた人材の育成を目指し、2027年4月に多摩キャンパス（東京都八王子市）において、「スポーツ情報学部（仮称）」と「情報農学部（仮称）」の開設を予定していることを6月4日に発表した。
これらの学部の開設によって、同学は12学部、大学院8研究科、専門職大学院2研究科、4附属高等学校、2附属中学校、9研究所を擁する総合大学・総合学園となる。また、「開かれた中央大学」として持続可能な社会の実現に貢献する。
「スポーツ情報学部（仮称）」では、学生はAI・データサイエンスの能力・技術とスポーツ領域に関する専門知識を育んでいく。アスリート、スポーツ競技、スポーツビジネス、およびスポーツの指導といったスポーツに関するデータを適切に分析し、その背景にある本質的な課題を正しく見抜いた上で、その課題を解決するための的確なプランを策定する。さらに、策定したプランを実現し、ウェルビーイングで持続可能な社会の構築に貢献できる人材の養成を目指す。
同学部の学びでは、
- 課題を知る・見つける力（ビジネス力）
- 情報科学の能力を使う（データサイエンス）
- 社会に実装･運用する（データエンジニアリング）
といった、データサイエンティストとしての汎用的能力を学部2年生までに身に付ける。さらに、その能力を利活用する学びの領域をスポーツ領域に定め、「スポーツデータサイエンス」を軸とした文理横断・融合教育を展開する。複合的思考力を養い、データを重視してそれまで潜在していた課題を発見・解決し、新たな価値を創造可能な人材を育てる。
あわせて、スポーツが実際に行われている現場、その現場をマネジメントする組織、およびスポーツに関するデータの活用が有効な組織などと連携したプロジェクトベースの授業を充実させて、「経験学習」を重視した教育を展開する。
授業では、最初に学生の主体的なチャレンジを促し、その結果のデータに基づいた内省を行う。その上で再チャレンジを成功させるためのアイデアを考案し、その実現に必要なプロセスについて、AI・データサイエンスの学びを活用しつつ創り込むことを目指す。こういった取り組みを通じて、スポーツに関連する領域だけでなく、AI・データサイエンスを活用した課題解決が必要な社会全般を支える、実践力を備えた人材を育む。
さらに、データサイエンスによる「スポーツ界のDXの推進」「スポーツの成長産業化」「多様な主体におけるスポーツの機会創出」を実現すべく、3つのコース設定によって学生の主体的な学びを養う。
いずれのコースもAI・データサイエンスの能力･技術をベースとしており、アプリ開発やAR・VRなどを活用したスポーツDXの実現を目指す「データサイエンスコース」、スポーツビジネスに関わる企業、市場の発展および地域経済の活性化を目指す「スポーツビジネスコース」、スポーツへの多様なアクセスやスポーツの持つ価値の浸透によりスポーツの普及・振興を図る「スポーツウエルネスコース」という、3つの専門領域に応じた学びを通じてイノベーションを起こして、ウェルビーイングで持続可能な社会の実現に貢献する人材を育成する。
「情報農学部（仮称）」では、経済発展と環境保全の両立を目指して、国際感覚と法的素養をベースとした農学に関する専門的かつ広い知識、および情報科学をはじめとした最先端の技術により、「農」から連なる「食」「環境」の分野を中心に新たな価値を発見・創造し続け、持続可能な社会の実現に貢献する人材を養成していく。
学びの特徴としては、2年次に実際の農業現場等と連携した現場実践型の科目を設置し、農業の現場における、現実的で困難な問題から気付きを得る早期体験学習を重視する。この学習を通じて、3年次以降のコース別の専門応用学修への意欲・実践力を養う。
さらに、食や環境と密接に結びついた農業の現状を地球規模の国際的な問題と捉え、その解決のため地域特性の理解に加えて、法的な政策立案や解決の視点を持つことを養っていく。従来の慣行や風習とは違った新しい価値に挑戦する精神を、広い意味でのアントレプレナーシップと定義して、「法」的、「国際」的な視野と知識、および不確実な状況でも困難に挑戦する「精神」を根幹の素養に醸成する、文理横断・融合教育を展開する。
同学部では実地実践的な体験学習だけでなく、キャリア教育科目の必修化によって、早期体験とキャリアイメージの連動を意識付ける。理系分野のキャリア、とりわけ理系女性人材のための早期キャリア教育を展していく。
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