LINEヤフーと静岡大学は、LINEみらい財団と連携し、闇バイトの加担リスクを学ぶことを目的とした中学生・高校生向けの情報モラル教材「「闇バイト」を自分ごととして考えてみよう~闇バイトに注意!あなたを犯罪に巻き込む手口~」を共同開発したことを、3月18日に発表した。また、3月19日からは、新たに闇バイトに特化した啓発活動を実施している。LINEヤフーは、1月に総務省などとの官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」への参画を表明しており、関係機関との連携や各種取り組みを一層強化していく。

同教材は、コミュニケーションアプリ「LINE」をはじめとした、身近なインターネットツールにおける闇バイトへの加担リスクや闇バイトに関わってしまった場合の対応方法などを学べる情報モラル教材。同教材を通じて、生徒たちがより自分ごととして闇バイトのリスクや見極め方を捉えることで、自身で考えて学ぶ機会を提供する。
同教材は、3月18日からLINEヤフーのホームページ内にある「闇バイト防止教育―“闇バイト”を自分ごととして考える」で公開されており、無料でダウンロードが可能。また、LINEみらい財団と連携し、現在18都県82市区町村の教育機関で活用されている活用型情報モラル教材「GIGAワークブック2026年度版」での掲載も予定しているほか、中学校・高校を対象に、同教材を活用したオンライン授業も4月から実施予定となる。この授業では、LINEヤフーの社員が講師を務め、現在講演依頼を受け付けている。
同教材の概要は以下の通り。
- 対象:中学生・高校生
- 実施時間:50分
- 対応教科および領域:特別活動を中心に、道徳・国語・社会・技術・家庭・情報・総合的な学習(探究)の時間など
同教材は以下のことをねらいとしている。
「闇バイト」を「自分ごと」として捉えさせる
「自分は絶対に闇バイトをやらない」と考えるのではなく、あえて「自分がお金が必要になってしまう場面」や「ちょっと怪しいけれどやってしまうかもと感じてしまう場面」を考えさせることで、闇バイトへの加担リスクを自覚させる。
闇バイトを見極めるための知見を増やす
闇バイトの募集要項には、一見犯罪とわからないような仕事内容や高額な報酬を示唆する文章が記載されていることが多いため注意が必要となる。同教材では、実際に闇バイトを募集する側に立ち、募集コメントを考えるワークを通じて、どのようなキーワードに注意が必要なのか、闇バイトの可能性がある募集を見極める力を養う。
「おかしいな」と思ったときにどう対応をすればよいかを考えさせる
「闇バイトに気をつけよう」だけではなく「おかしいな」と思ったときに、誰に、どのように相談するかを考える。また、SNSで闇バイト募集に関する情報を見かけたときの対処法についても学ぶ。

LINEヤフーでは「LINE」の安心・安全な利用環境実現のため、関連府省庁、団体などと定期的に情報交換を行い、特にSNS型投資詐欺をはじめとした詐欺行為や闇バイトへの対策を2023年12月から強化している。
2024年3月には、関連省庁等の協力のもと、さまざまな詐欺・闇バイトの手口や「LINE」での対処法などをまとめた特設サイトの公開と、啓発活動を行った。また、同年6月には「LINE」内の各サービス画面上での注意喚起文言の表示や通報項目の追加など、詐欺対応強化のため新しい取り組みを開始している。
今回の取り組みでは、SNS型投資詐欺に続き深刻化する闇バイトに対して、2024年2月に公開した闇バイトの注意喚起ページにインフォグラフィックなどを追加し、内容の更新を予定している。本年3月19日からは、闇バイトに特化した啓発活動を実施しており、「LINE」内の各告知枠や自社運営のLINE公式アカウント、公式SNSなどで随時発信していく。なお、詐欺行為に関する啓発活動は2月17日から行っている。また、3月18日から、LINEオープンチャットを利用する全ユーザーに対してポップアップで闇バイトに関する注意喚起を実施している。

3月17日には、新たに「SNS型投資詐欺」「ロマンス詐欺」をテーマにしたショートアニメをLINEヤフーのセキュリティポータルおよびYouTubeチャンネルに公開した。LINEヤフーでは、ユーザーのセキュリティ意識の向上を目的に、日常に潜むセキュリティの脅威や注意すべきポイントを動画などでわかりやすく解説している。
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